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トラや 文春文庫
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南木佳士【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/09/02
JAN 9784167545178

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商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2024/06/17

 肩凝らない本を読みたいなと思い以前購入しておいた本を取り出して読み始めたら少しの日にちで読了できた。  野良猫二匹をイエネコとして飼い始め一匹は出て行ってしまったけど、トラは15年南木家で家族の一員として南木先生が芥川賞をとっで精神を患ったあたりから トラを看取っていなくなり心...

 肩凝らない本を読みたいなと思い以前購入しておいた本を取り出して読み始めたら少しの日にちで読了できた。  野良猫二匹をイエネコとして飼い始め一匹は出て行ってしまったけど、トラは15年南木家で家族の一員として南木先生が芥川賞をとっで精神を患ったあたりから トラを看取っていなくなり心の空白になった時までをつまびらかに書いてます。  南木先生の人生観死生観などがよくわかります。トラのこと悪くどうしようもない猫のように書いているが深い愛情が読みとれます。  先生のうつ病がかなり重症だったことがわかります。ぼくもうつ病かなと思うことがありますが、南木先生にくらべたらとるに足らん症状だなて思いました。なかなか深い本だと思います。

Posted by ブクログ

2021/09/14

 時が心身を変容させてくれます。というか、生きているかぎり人は変容せざるを得ないのだと思います。ぼくの話が嘘っぽく聴こえたら、死なないでみてください。そうしてご自分でたしかめてみてください。

Posted by ブクログ

2017/05/25

1990年、著書『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を受賞した翌年から、南木氏はうつ病と診断される。同じころ、氏の家に住み着いた子猫、トラとシロ。 病に苦しむ父親の放つ重苦しい雰囲気に満たされた家の中、子猫たちは氏の二人の息子たちの格好の遊び相手となる。時に、自殺の衝動にとらわれて、台...

1990年、著書『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を受賞した翌年から、南木氏はうつ病と診断される。同じころ、氏の家に住み着いた子猫、トラとシロ。 病に苦しむ父親の放つ重苦しい雰囲気に満たされた家の中、子猫たちは氏の二人の息子たちの格好の遊び相手となる。時に、自殺の衝動にとらわれて、台所で包丁に手を伸ばす氏の足元にからみつき、無心に餌をねだることもあった。 例えば足の指をなめる、小さな舌の感触。カリカリと口を左右に振りながら餌を咀嚼する食いっぷり。腹や胸の上に乗ってくるぬくもり。二匹の行動は氏やその家族の抱えていたものを慮ってか、ただ、本能に従っただけものなのか。 しかし南木家の人々は猫たちによって様々に救われ、教えられる。シロはじきに姿を消してしまうが、最期まで一家の元で過ごしたトラとの日々を綴るエッセイ。 内科医としての冷静で論理的な目で観察される、自身のうつ病の症状とそれがもたらす身体の変化と苦しみ苛まれる日々を、文学者としての確かな筆力をもって淡々と記す。いつしか病を克服し、しかし歳月の分だけ年齢を重ね、老いの坂を緩やかに下っていく南木氏夫妻と、その間に人間の何倍ものスピードで成長し、老いていくトラとの日々は、後半は涙なしには読めない。 猫好きな人に是非お勧めしたい。 昔、私の母が子供の頃、家に一匹の野良猫が居ついて、そのまま家族の一員に迎えたことがあるそうだ。その事を知った小学生の頃の私は、祖母に猫を飼いたいと頼んだが、祖母は許してくれなかった。「猫が死ぬと辛いんだ」そう言って。 昨夏、実家に一匹の子猫が来た。祖母の言葉の意味と気持ちがわかる。居ついた野良猫。居ついたから、仕方なく受け入れた野良猫。しかしそれでも祖母は、家事と仕事、育児の忙しさのなかで、猫を愛していたに違いない。猫の存在とその後の不在はとても大きい。

Posted by ブクログ

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