ふるこんたくと！(4) 胸さわぐ愛のオーラ 角川スニーカー文庫

あすか正太【著】

• 販売会社／発売会社: 角川書店/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2010/08/30
• JAN: 9784044262167

商品レビュー

2010/10/18

最後までおバカ（褒め言葉）なまま完結

[ＤＳＫ]

「アンタ達、ただ脱ぎたいだけの“裸族”でしょ」と言わずにいられない脱ぎ脱ぎ点穴物語もとうとう本巻で完結である。久美恋が作中で呟いたように、巻を追う毎におバカ度が増していったシリーズと言えそうだが、確かにその勢いが最後まで衰えなかったどころか、むしろパワーＵＰさえしていったところには、呆れ笑いを含むものの素直に賞賛したい。面白いやり取りの連続で大いに笑わせてもらった。最終巻であっても全く以て最後らしさを感じさせず、冒頭から呑気に裸サッカーやってるお気楽さが却って心地良いくらいである。こんなノリなので、最終話まで進んでも基本的にあっさり路線かつ急に幕が降りた感じで、久美恋の秘密や一路との過去の経緯が示され、何より久美恋を巡る恋敵の登場か？という展開であってもハラハラドキドキするかと言えばそーでもなく、ある程度オチが予想できる気軽さがあった。これなら出てきた女性陣がみんな一路ラヴな方面に行き着いてしまっても良かったくらいだが、そこは、まぁ、最後に程良く纏めた、といったところか。

ただし、短いセンテンスで改行を繰り返す文体はいいのだが、もう少し描写を丁寧に書き込んでほしかったとは思う。テンポよく進むのだが、状況描写が簡潔過ぎて事態を把握し切れず、少し置いてきぼりにされるところがあった。笑いのセンスにハマったからこそ面白かった訳だが、シビアに見れば、あと星１つ～２つは下がってしまう内容であることも否めない。