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解明される宗教 進化論的アプローチ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2010/08/25 |
JAN | 9784791765621 |
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解明される宗教
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商品レビュー
3.6
11件のお客様レビュー
宗教は性選択とも異なるものであり、進化論ともかけ離れている気がします。 宗教は拠り所的側面も大きく、科学だけではなく感情も入るものだからです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宗教を自然的な現象として科学的に研究しようという姿勢の本なのだが、著者が冒頭で述べている通り宗教というよりアメリカの社会(と福音主義だよね?)という狭い世界が中心の話になっていると思う。特定の宗教界からの反論をなだめようとする第一部が長い長い(笑) 第二部のミーム論で宗教の誕生と発展を見ていくあたりは面白かった。 自然現象に誰かの行為の意図を想定する能力から始まり、自分の知らない重要事項を知る、父のような存在を想定すること、その存在とかかわるための儀式が生まれる。被催眠性の高さという適合因子があったり、儀式の存続性を高める集団や繰り返し、リズムといった継承されやすい形態が洗練されていく。集団の統制と宗教の相性の良さから、それは結び付いて管理者のもとで発展することになる。 宗教の価値について論じる第三部はちょっとなあと思う箇所が多かった。宗教信者の「呪縛を解く」ために説き伏せようという著者の意図は伝わるが、宗教の効能は他のものでも代用可能なはずだと論じたところで何の意味があるのかと思う。テレビゲームよりテニスのほうがより有益な趣味ですからゲームは捨てましょうとか、あなたの妻よりこちらの女性のほうが器量よしで評判もいいですよとか言われたって困るだけだろう。そこで著者が持ち出してくるのがイスラムテロ等が社会に有害であるというから宗教は代替させるべきなのだという理論で、最後には世俗の学校をマドラサに競合させて子供がイスラムの教義に耳を貸させないようにすればいいとまで言っていてやばかった。著者はマドラサをすべてテロ養成機関だと思ってるのかもしれない。ムスリムがそうした学校へ喜んで通うわけないし、さすがにそこまで言ったら、宗教者の科学アレルギー以前に当然あなたは反発を受けるでしょうよと思ってしまう。第一部の長さもここにきて納得。 全般的に科学と人権と民主主義と自由主義価値観は全世界で推し進めるべき「真理」という前提で話が進むが、そうしたリベラル的価値観の正義はアメリカ国内ですら必ずしも通用するわけでないから福音主義教会が成長し続けているのだろう。ましてや著者が攻撃するイスラムではその反対表明こそがテロなのであって、欧米的価値観を持つのは一部のリベラルだけだ。欧米式人権教育と科学研究は「正しいのだから」受け入れろと言う前に、そもそもの価値観が根底から違うこと、啓蒙主義の焼き直しをやってもしょうがないことを認識しなければ話は通じないだろうと思う。
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デネットによる宗教批判―というよりも宗教研究の本です。 英語版のタイトル「呪縛を解く」の「呪縛」とは、「宗教は研究されるべきではない」というタブーのことを指していて、これを打ち破るべく書かれています(日本語版の『解明される宗教』もいいタイトルだと思います。「される」は「された」ではないのですね)。 全3部の構成で、1部は前述の「呪縛」は科学によって解かれるべきであるし、自然現象としての宗教を科学は解くことができるのだ、という立場表明。 アメリカで宗教を論ずることのめんどうさが伝わってきます。 2部はデネットによる宗教の誕生から発展~現在にいたるまでの研究。基本となっているのはミーム学です。人間が生まれながらに、あるいは発達の過程で身につける本性が原始宗教を生み、競争、反省のなかで一神教となり、宗教団体ができるまで。また、反論を封じる技術や「信仰の信仰」を広めてさらに強固になる宗教について書かれます。 デネットはここで宗教について結論を出そうというよりも、たたき台を提出することに力を注いでいる感じがしました。 3部は宗教の現在。ますます宗教の研究が必要だと述べたあと、とりあえずいますべきことは「正しい情報を与えられた上での選択」の原理を宗教にも適用し、とくに子どもには今ある宗教をすべて教えてから子どもに決定させるべきだ、と言っています。 子どもにすべての宗教を教えようという提案はかなりの説得力がありますね。教義に自信があるならキリスト教の家庭に生まれた子に仏教を教えても問題はないハズなので。
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