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風立ちぬ・聖家族 他三編 旺文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 旺文社 |
発売年月日 | 1987/11/10 |
JAN | 9784010610121 |
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風立ちぬ・聖家族 他三編
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風立ちぬ・聖家族 他三編
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「窓」「麦藁帽子」「風立ちぬ」「曠野」の4編を収録。 「窓」は「唯一の距離、唯一の証明」でしか見えない真実があることを伝える話。 「麦藁帽子」はおそらく堀辰雄自身の若き日の思い出。 そこには恋(恋をし、それを失う)と関東大震災での記憶が織り交ぜられている。 「風立ちぬ」の主人...
「窓」「麦藁帽子」「風立ちぬ」「曠野」の4編を収録。 「窓」は「唯一の距離、唯一の証明」でしか見えない真実があることを伝える話。 「麦藁帽子」はおそらく堀辰雄自身の若き日の思い出。 そこには恋(恋をし、それを失う)と関東大震災での記憶が織り交ぜられている。 「風立ちぬ」の主人公(これもおそらく堀辰雄自身)と共通するのは ちょっと独り善がりな感じがしました。 「風立ちぬ」は名作と言われるだけのことがありますね。 これは、ホントに素晴らしい。 肺結核で余命の少ない節子と私の物語なんだけど 基本的にはサナトリウムという高原にある療養所での話で 闘病生活を身近に知っている人ならわかると思うんだけど そういう生活ってホントに毎日に変化がなくて退屈なはずなんだけど そういう状況になったからこそ 季節の移り変わりやちょっとしたことに 感動を覚えたりするわけです。 お互いに常に死を見据えながら それを口に出さずに生を充実させ満足させようとする。 刹那主義とは違った、瞬間を生きる美しさ。 節子の死後、自分の中の節子を消すことができず 「未だにお前を静かに死なせておこうとはせずに、 お前を求めてやまなかった、自分の女々しい心に 何か後悔に似たものをかげしく感じながら・・・」 と語る私の気持ちがなんだかすごいよくわかった。 小説と合わせて「アニメ日本の名作 風立ちぬ」を本にしたものも読んだんだけど 生と死だったりすれ違いだったりといった心の小さな動きなどはなくて 大きな話の流れだけを追った構成で セリフなんかも違う場面のものが他の場面に登場したりと 子供向けに分かりやすくしてあるんだなぁと感心したけど 本当に著者が伝えたかったであろうこと −死を通しての生の幸福−がまったく描かれてないので なんとなく複雑な気分になった。 「曠野」は古典を題材にした男と女の物語。 最後は女が、男から見ればみじめに見えるはずの自分に耐え切れず自害するんだけど 別れたあとも忘れられずにずっと探し続けていた女にやっと会えたのに いきなり自害されてしまうことになるわけで その男と女の違いにいろんな思いを馳せてしまう。 この女の人の「みじめ」だと思う気持ちは 今の人のプライド(=自尊心)とは違って 自分が貶められたことに対するものではなくて 相手を思う気持ちに根ざしているところが 僕はなんだかとても好きでした。
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