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根源的構想力の論理
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 創文社 |
発売年月日 | 2010/07/25 |
JAN | 9784423101063 |
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根源的構想力の論理
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さまざまな思想家たちの議論を参照しつつ、「構想力」という哲学的テーマを掘り起こしてゆくエッセイ7編を収めている。 第1章は、カント、デリダ、三木清、西谷啓治、プルースト、スザンヌらの仕事を参照しながら、構想力についての著者の基本的な考えが提出される。著者はデリダとともに、直接的...
さまざまな思想家たちの議論を参照しつつ、「構想力」という哲学的テーマを掘り起こしてゆくエッセイ7編を収めている。 第1章は、カント、デリダ、三木清、西谷啓治、プルースト、スザンヌらの仕事を参照しながら、構想力についての著者の基本的な考えが提出される。著者はデリダとともに、直接的な知に依拠する「現前の形而上学」を批判し、無に差しかけられた存在である私たち人間の、再生的構想力に基づく「非在のものの反復」という営みを理解しようとしている。 第2章ではベルクソンが、第3章では柳田国男と折口信夫が取り上げられ、「非在のものの反復」が私たちの身体や社会の中で文化装置として機能していることを明らかにしている。 第5章は、ウィトゲンシュタインの言語ゲームの「彼方」への展望が意味するものについて考察している。ここでは、ウィトゲンシュタインの言語論とフーコーの系譜学が対比的に論じられている。フーコーの「知の考古学」は、私たちの知のシステムの深層を歴史的に掘り下げることで、そこに「抑圧と侵犯」「検閲と逸脱」といった、他者との間で生じる「力の関係」が潜んでいることを明るみに出した。一方ウィトゲンシュタインにとって「言葉を理解する」とは、さまざまな状況のもとで言葉を適切に使用する仕方を身に着けることにほかならない。と同時に、ウィトゲンシュタインは「私的言語」批判を通じて、言語ゲームの共有というコミュニケーションの可能性の条件を、言語ゲームの「内部」の事柄として扱った。著者はこのことを確認した上で、言語ゲームの「外部」へと私たちの視線を走らせるものとは、いったい何なのかと問うている。 第6章は、森有正論。森の西洋体験を永井荷風のそれと比較し、森のやや陳腐に見える日本文化論的な議論を、哲学的な次元から救い上げようと試みている。 第7章は、西行論。数寄と仏門の間に身を置いた西行の立場を、唐木順三や西谷啓治の議論を参照しながら論じている。 坂部恵を思わせる知性のきらめきが随所に感じられる。エッセイの形式による哲学的論考として、たいへんおもしろく読めた。
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