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2020年、日本が破綻する日 危機脱却の再生プラン 日経プレミアシリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2010/08/11 |
JAN | 9784532260927 |
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2020年、日本が破綻する日
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商品レビュー
4
12件のお客様レビュー
さすがに大学の先生が書いているだけあって、専門用語と数字による論理的な説明は非常に説得力がありますが、私の知識で細かなところまではとても理解できないというのが正直なところです。実際に日本を動かす政治家や官僚に読んでもらいたいものです。
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本書は、社会保障制度の改革について論じた本だ。増大する社会保障給付に対して手を打たなければ2020年までに日本の財政が破綻する可能性が強いことを指摘し、消費税の5倍増(25%)を主張する。「増税が不可避の場合、『資本課税ゼロ』定理にしたがうと、段階的に増税するよりも、一度に増税し...
本書は、社会保障制度の改革について論じた本だ。増大する社会保障給付に対して手を打たなければ2020年までに日本の財政が破綻する可能性が強いことを指摘し、消費税の5倍増(25%)を主張する。「増税が不可避の場合、『資本課税ゼロ』定理にしたがうと、段階的に増税するよりも、一度に増税した方が、将来の経済成長を低下させるリスクは少ない」(p.39)そうだ。 著者の独自性は、この先にある。「社会保障(対GDP)の充実は、経済成長を安定化させる傾向をもつ」(p.115)、「格差是正と成長の間に存在すると思われてきたトレードオフは『神話』であり、ある程度の格差の是正は1人あたりGDP成長率を高める可能性がある」(p.112)とする著者は、現代日本における大きな問題が世代間格差にあると述べる。その点を著者は「世代会計」と呼ばれる手法を用いて説明している。戦争経験者は例外として除外するとしても、現在の50代は過大な利益を得ているそうだ。 処方箋は次のようになる。まず、固定的な社会保障予算と他の予算とを厳格に区分経理する。前者については政府から独立した「世代間公平委員会」が担当し、政治の介入を防止する。制度としては現行制度と組み合わせやすい「事前積立方式」(簡単に言うと世代間の負担を平準化する方式)を採用し、財政破綻を防いで1人あたりGDPを安定的に成長させる基礎を作る――という筋書きだ。 私自身は、この処方箋の実現可能性は低く、財政破綻は免れないと考えている。たとえば、世代間の公平を達成するためには、民主制においては中高年層が利他的でなければならない。しかし、各世代はそれほど利他的ではないことが「多くの実証分析による結果」(p.133)だと著者は述べている。そもそも、もし各世代が利他的なのなら「バローの中立命題」が成立し(p.130)、内国債でファイナンスされている現状では財政の問題はないことになるだろう。 ところで、同書の第5章で紹介されていた「管理競争」という概念は興味深い。オランダの医療保険で導入されている仕組みだそうで、保険事業者自体は民間でもかまわないが、公平性を政府が担保している。実際、オランダは欧州31カ国の中で医療の質が最も高いと評価されているそうだ(p.166)。
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