- 中古
- 書籍
- 文庫
閉ざされた時間割 角川文庫
定価 ¥418
275円 定価より143円(34%)おトク
獲得ポイント2P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1977/10/30 |
JAN | 9784041357132 |
- 書籍
- 文庫
閉ざされた時間割
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
閉ざされた時間割
¥275
在庫なし
商品レビュー
0
1件のお客様レビュー
自分が何者かに取り付かれ、一定の時間、自分の知らない行動をしている、何とも恐ろしい話である。 この本のそれとは全然違うけれど、ある意味で老人性のボケなども、本人からするとこれに近い感覚があるのかもしれない。 自分が何者で、一体どのように自分をコントロールしているのか分か...
自分が何者かに取り付かれ、一定の時間、自分の知らない行動をしている、何とも恐ろしい話である。 この本のそれとは全然違うけれど、ある意味で老人性のボケなども、本人からするとこれに近い感覚があるのかもしれない。 自分が何者で、一体どのように自分をコントロールしているのか分からないけれども、生まれてこの方自分は自分でしかなく、常に同一なわけだから、それが分離するような経験というのは想像もできないし、考えると恐ろしい。 反面、では自分の行動は、本当に自分でコントロールしているのかと考えると、必ずしもそうとは言い切れない。人間は社会やある一定の集団の中で生きているわけで、自分の考えとは別に、その所属している社会や集団のルールに従わざるを得ない場面が少なからずあるからだ。 そういうある種の服従に、我々は慣らされてしまっているので、違和感すら感じなくなっていることが多いし、逆の言い方をすれば、違和感を感じる人間は、その社会や集団に適応できないとも言えるわけで、もしかすると、自分で意識しないままに、自分は他人にコントロールされているのかもしれないと、改めて気づかされた。 SFに限らず、いくら小説だからといえ、あまり荒唐無稽の話ばかりでは、読み手に共感させることはできない。その意味で、眉村さんの作品は、現実といい距離感を保っているようで、気軽に作品の中にのめりこむことができる。 この本には、「閉ざされた時間割」「少女」「月こそわが故郷」「押しかけ教師」の4編が収められており、特に、タイトルになった作品は、丁寧な状況設定があり、主人公同様、この危機からいかに逃げ出すのか、読み手をひきつけて離さない。 若干、後半の解決に向かう場面が、性急過ぎるきらいもあるが、無責任に読者を放り出すことなく、絶体絶命の場面から私たちを救い出してくれる。何度読んでも、何を読んでも、眉村さんの世界観は、私にとって魅力的であり続ける。
Posted by