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松本十郎伝 さらば‥えぞ地
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松本十郎伝 さらば‥えぞ地

北国諒星(著者)

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松本十郎伝 さらば‥えぞ地

定価 ¥1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 北海道出版企画センター
発売年月日 2010/06/01
JAN 9784832810082

松本十郎伝 さらば‥えぞ地

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2014/08/26
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佐賀県立図書館郷土資料室で読んだ本。 今まできいたことが無かった人物、庄内藩(山形県)出身の藩士、松本十郎さんの伝記。少しぱらぱら開いてみたら、アイヌのことがたくさん書いてあり、また、佐賀の島義勇、鍋島直正、また、佐賀の乱などとてもパーソナルな視点で述べてあったので興味深く、そのまま入り込んで全部読んでしまった。 北海道開拓史の第一代長官鍋島直正、そして、その後の北海道植民に大きく関わった島義勇の側で、その後は開拓使大判官まで努め、深く北海道植民に関わっている。 黒田清輝によって、幕末からの蝦夷地での見聞を買われ、開拓使に登用された。彼は他の中央からの役人とは少し違い、アイヌに対して差別的でなく、友好的で、とても民主的な政策をとった人物として描かれている。 最終的に、樺太アイヌの強制移住政策などで黒田と意見が衝突し、政界を退いている。(十郎は強制退去やアイヌの人を奴隷として扱うことに反対した) 興味深いのは、彼が親アイヌの政策をとり、アイヌの人たちとともに暮らしながらも、アイヌを「日本国の皇民」と位置づけ、それを基に平等に扱われることを説いたことである。当時のアイヌの人たちと彼はアイヌ語で意思疎通できたと伝えられているが、萱野茂さんの書いたように、「アイヌは違う国に存在する」のがアイヌの人たちの認識であるならば、やはりcolonial mindsetからは抜けきれていないように思う。 とにかく、当時の開拓使のトップを努め、北海道のアイヌの人たち、入植者、中央の政治家達から一目置かれた敏腕な政治家の、北海道経営に対する批判的なコメンタリーはとても興味深かった。 また、筆者のこの人物に対する敬愛の念、とくに彼の潔い生き様、がひしひしと伝わってきて、それも良かった。筆者に依れば、松本十郎と言う人の研究はまだまだ進んでいないらしい。

Posted by ブクログ

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