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前方後円墳の世界 岩波新書
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前方後円墳の世界 岩波新書

広瀬和雄【著】

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前方後円墳の世界 岩波新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2010/08/20
JAN 9784004312642

前方後円墳の世界

¥220

商品レビュー

4

9件のお客様レビュー

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2019/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前方後円墳国家の提唱者による易しい概説書ふうの本。著者の古墳時代への愛が感じられる一冊。<亡き首長がカミ化して共同体を守護する>ための装置としての古墳を論じていく。遺骸が保護・密閉・辟邪されることでカミ化する。前方後円墳とはなんといっても<共通性と階層性をみせる墳墓>であり<見る/見せる>ための墳墓である。その本質は<祭祀と政治があらわされた墓制>ということになるらしい。かなり概念的な部分は突然難しくなるのでサクサク読もうとすると注意が必要。内方外円区画が示すのは「天円地方」思想の影響(中国)らしいとのことだが、それは前方後円墳にも影響するらしい。近藤氏の首長霊交代儀式論に対しては否定的な見解を持っている。霊魂観(霊肉分離の観念)の成立は 実証が難しい。装飾古墳の装飾部の拡大を持ってそれを論じていこうとする。このあたりがこの本の一番難しいところで重要な部分はないかと思うが88pから86pを読んでくださいとしか言いようがない。簡単に言うことで霊魂という思想が加わることで共同の祭祀が個人の祭祀にかわると。難しいです。。。 後半は日本列島の古墳全体の中で畿内をどう位置づけるか。筆者は中央ー地方関係は否定できないという論調。なんだかんだいって畿内がすごいというのは、確かになと思う。那須には前方後方墳がおおいらしい。 あと河内王朝論も否定していく。首長連合であったという説。東北・壱岐への目配りも忘れない。 著者のほかの本が読みたくなったと思うと同時に、たくさんいろんな史跡に行ってみたいと思わせてくれる本だった。

Posted by ブクログ

2016/03/07

「はじめに」の最後ですが、考古学は研究者だけのものではありません。 彼らが提出した歴史叙述をもとにそれらにたいして異なった歴史を描くのは万人の自由です。 歴史的想像力を飛翔させるのは、意志をもった各人の特権なのです。 人や自然にたいして、それが欠落しつつあるように見えるいまこそ、...

「はじめに」の最後ですが、考古学は研究者だけのものではありません。 彼らが提出した歴史叙述をもとにそれらにたいして異なった歴史を描くのは万人の自由です。 歴史的想像力を飛翔させるのは、意志をもった各人の特権なのです。 人や自然にたいして、それが欠落しつつあるように見えるいまこそ、そして知性に貧困をきたさないためにも、想像力を涵養しうる歴史的拠点が大切なのです。 本書はそうした思いで編んだものです。 ということで、以下の内容で書かれています。 プロローグ  東京の古墳公園を訪ねて Ⅰ前方後円墳を読む  1<見る/見せる>墳墓・前方後円墳   ―その形と立地ー  2死してカミとなった首長   ―前歩後円墳の祭祀ー  3弥生神殿のゆくえ   ―葬送観念の連続・不連続ー  4古墳時代の霊魂観   ―装飾古墳から考える― Ⅱ前方後円墳どうしのつながりを読む  5初期大和政権の実像   ―畿内五大古墳群―  6地方首長をどのように統治したのか   ―九州と東国の例から―  7変わりゆく中央と地方   五世紀・東アジア情勢のなかで―  8北と南の国家フロンティア エピローグ  ―古墳時代の新たな見方― あとがき となっています。 大事なことは、エピローグで書かれていました。 誤解をおそれずにいっておくと、そうした古墳時代像は根本のところで、律令国家の正統性を著した『日本書紀』の体系的叙述に縛られているのです。 もうひとつ言うならば、戦後の知識人をひろく覆った「歴史は発展する」との歴史観が、そうした見方の根っこにあります。 <未開から文明へ>と、人間の社会は発展していくという考え方で、前期から中期、そして後期へと、未開的な古墳時代が順調に「発展」し、文字をもった文明的な律令国家が成立した、というものです。 「古墳時代は律令国家の前史だ、古代国家の形成過程だ」が、考古学を含めた古代史研究者の、古墳時代の通説になっています。 ところが、前方後円墳の350年間が律令国家を準備した、との謂についての十分な検証はなされてきたのかというと、はなはだ心許ないのです。 ということで、この本により、新たな視点で、古墳時代の日本の歴史をかじらせていただきました(感謝)。 

Posted by ブクログ

2011/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

250を超える前方後円墳の索引があるのがすごい。  巡礼もいいが、前方後円墳めぐりもいいかもしれない。  著者に、旅行ガイドを作って欲しいと思った。  あるいは写真集を出してもらえると嬉しい。

Posted by ブクログ

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