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まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川学芸出版/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2010/07/20 |
JAN | 9784046214461 |
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まんが学特講
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商品レビュー
4.6
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まんが史を語れる無二の逸材、みなもと太郎の他界は惜しみて余りある。ポッカリ空いた穴を埋められる人材はいないだろう。 再読。聞き手の大塚英志と同世代なので、まんが史についての認識も大差ない。手塚治虫・トキワ荘に始まり、24年組によって深められた、とその程度……。 みなもとによ...
まんが史を語れる無二の逸材、みなもと太郎の他界は惜しみて余りある。ポッカリ空いた穴を埋められる人材はいないだろう。 再読。聞き手の大塚英志と同世代なので、まんが史についての認識も大差ない。手塚治虫・トキワ荘に始まり、24年組によって深められた、とその程度……。 みなもとによって貸本劇画や24年組以前の少女まんが、戦前の挿絵文化、紙芝居に至るまで、まんが史の伏流・底流が語られる。 貸本劇画に漂うBL要素。松本零士が青年誌でフェラチオを初めて描いた。莫大な影響力を有した西谷祥子が追従者の芽を摘んだ等々。ここで言っておかなければ埋もれてしまう話が続々。独創的に思えた石森章太郎『ファンタジーワールド ジュン』が、立木義浩『舌出し天使』の影響下に描かれたという指摘は衝撃だった。 その石森章太郎について巻末での「少年向けであっても、少女まんがを(マンガ家入門の)教材に選ばざるを得なかった」という補追はまさに画竜点睛。
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大塚なので、もっと漫画文化史に寄るものと期待したが、なんと大塚はみなもとのアシスタントだったそうで、全般では主に「まんが作画史」の体で進む。みなもとの漫画における博覧強記、それも同時代ならではの知見がほころび出てはいるのだが、この部分こそ貴重なのだから、氏が生きているうちに探って...
大塚なので、もっと漫画文化史に寄るものと期待したが、なんと大塚はみなもとのアシスタントだったそうで、全般では主に「まんが作画史」の体で進む。みなもとの漫画における博覧強記、それも同時代ならではの知見がほころび出てはいるのだが、この部分こそ貴重なのだから、氏が生きているうちに探ってほしいものである。
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まさに目からウロコ。 手塚治・24年組・トキワ荘だけでは 漫画の歴史を語ったことにはならないというのがよく分かる。 ↑の3つも、この本で出てくるさまざまな漫画家や漫画も 私はほとんど読んでないと思うが、 劇画の存在が背景にあればこそ、今の流れがあるんだと分かる。 さいとう・たかを...
まさに目からウロコ。 手塚治・24年組・トキワ荘だけでは 漫画の歴史を語ったことにはならないというのがよく分かる。 ↑の3つも、この本で出てくるさまざまな漫画家や漫画も 私はほとんど読んでないと思うが、 劇画の存在が背景にあればこそ、今の流れがあるんだと分かる。 さいとう・たかをに関しては「ゴルゴ13」しか思い浮かばないが、 知らなかった話がいろいろ出てきて面白かった。 「いいムード」は説明されなきゃわかんない! 内面の表現を模索すると少女マンガに行くしかなくなるとか。 ペンタッチに関する二人の認識の違いはとても面白かった。 「今の漫画家は絵描き」というのは、私が漫画描いてた時から思ってた。 絵なんて描いてれば誰でも上手くなる。 でもネームのセンスは別物でそっちが作れる方がずっと凄い、 と私は思ってるけど今はそうでもないのか。 一部のしっかりした骨太な作品を除けば、 きっと山ほどの「絵が上手いだけで中身の薄い漫画」が溢れてるんだろうな。 カードゲームのカッコイイ1枚絵が描ければオッケーなんて、 コミケのシロートじゃあるまいし。 「今の漫画家はネームよりもコマの作画に時間を割き、 コマの連なりとして考えるのではなく、1コマの中での整合性にこだわる」 「16枚分の原作と思って漫画家に渡したら70ページで切ってきた」とか、 もう最近ぜんぜん漫画読んでないから驚いてしまう。 絵に関するコダワリだけが細分化して、 読ませる技術が言及されなくなってるのか。 イヤだなと思ったのは「リアル」の捉え方。 現実にある銘柄のビールの缶を、アルミの質感までトーンを使って描く、 というのが今の「リアル」だなんて、随分セセコマシイことで。 考証の必要なSFを書く作家がいなくなり、 雰囲気的な共通認識と資料がたくさんあるファンタジーがはやる、というのもなんだかなあ。 結局読む側にも、想像力がなくなって、 全てを破綻なく説明されていなければ読めなくなっているんだろう。 みなもと氏が言うように、四角い紙に1000と書いて千円で通じさせるのが、 漫画のリアルでいいはずなのにね。 ネットで山盛りの情報が探せて、「正確」=「正解」を追求しても、窮屈になるばかりだ。 著者の二人と編集者、場を提供したまんが図書館の館長の4つの世代が関わることで まんがを語る時に、当時の雰囲気や状況、最初に何を読んだか、 同じ雑誌の中に何が一緒に掲載されていたか、 などなど全てを考え合わせないと、実情は見えてこない、というのが分かる。 まんがを読むという個人的な体験だけでつじつまを合わせると 見失うものがたくさんあるんだと思った。 同じ漫画を読んでいても、 発表された当時に読んでいるか、後からさかのぼって読んでいるか、 順番が違うだけで作家や作品に対する自分の中の評価も当然変わる。 それを踏まえて語らないと、 不当に低い評価を受ける作家がたくさんいるんだと改めて思う。 みなもと氏のイラダチがよく分かり、 繊細な感覚のズレを、資料で裏付けながらちゃんと検証していくことの重要性を感じた。 今や雑誌も作家も作品も発表の場も、比べ物にならないくらい増えた。 見えないものが多すぎて今の状況を俯瞰するのは難しい。 でもほんの少し前までの当たり前の漫画の状況を、きちんと捉えなおすことはとても大事。 大塚英志がそういうことに気がついて、これからの活動や著作にいい影響を与えるだろうな。 なんだか楽しみだ。
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