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昭和二十年夏、女たちの戦争
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2010/07/12 |
JAN | 9784048850667 |
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昭和二十年夏、女たちの戦争
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商品レビュー
4.5
11件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
やまさんのレビューで著者の名前が印象に残り著書を探したら近所の図書館で見つけることができた。 戦争の時代を男性の兵士の言葉で語られることは多いが、女性は将兵達の母や妻、姉妹といった彼女から見た男たちの姿であくまでも主役は男性だった。『昭和二十年夏、僕は兵士だった』の著者が、若い女性がどう生きたか、大正生まれの方で何を考えどのように暮らしてきたのか女性自身の語りを紹介している。淡々と語られる中でも想像以上の苦悩や心の傷、その時代の鬱屈した気配を感じる内容。連載時は茨木のり子氏の詩のタイトルから引用「わたしが一番きれいだったとき」だったという。 近藤富枝氏 戦争中に着る服を制限されたけれど東京空襲前までは家の中では好きな着物を着ていたというエピソードとともに「私もね、美しいものがあったから、生きられたのかもしれないと思うことがあるのよ。あの戦争の中を」 吉沢久子氏 エスペラント語という母語にかかわらず世界共通の言語の勉強会での出会い、戦死した婚約者の志を受け継いで予防医学の栄養を学ぼうと思ったこと、鉄兜をかぶったまま寝るような生活の中にも「七夕に演劇にダンス、そういうことがないわけではなかったの」青春の時間はあったと語る。敗戦の日は「これから一生懸命働こうと思ったのね。それはほんとうです。与えられたいのちを、きれいに、一生懸命生きようと、そう思いました。」 「楽しかったですよ、戦後はずっと。だって、ひとつひとつ積み重ねたものが、崩されないじゃありませんか。それは平和であることの、ほんとうにいいところね。」「一生懸命生きていれば、いつだって今日が一番いい日。私、そう思うんです。」 赤城春恵氏 戦時中、軍の慰問団の一員として各地を回り満州各地でも公演されたという。帰国するまでの紆余曲折、敗戦国民として悲惨な状況と混乱の中何とか帰国。家族とのつかの間の再会についても戦争がなかったら…と思うことばかりだった。 「毎日、自分が生きるだけで精いっぱいで、他人のことを考える余裕はなかった。女友達と他愛のない話ができるって、ほんとうに幸せなことなのよ」 緒方貞子氏 軍需工場へ動員されタイヤを作り、焼夷弾や空襲で近所や学校が焼けた経験、食事調達の大変だった疎開体験。敗戦の知らせは「足元がなくなるというか、ぐらぐらするような気持ち」「新しい日本を作ろうということで、日本人みんなが燃えていた時代だったし、若い人の自由度が高かった」というなかで学問に打ち込んだ喜びも語られた。 吉武輝子氏 「女の戦争は、男の戦争が終わった後で始まる」という友人の言葉、新学期の授業は、教科書を墨で塗りつぶすことから始まった。朝鮮戦争がはじまると、戦前とはまた違った形の管理教育に変わり、アメリカの都合で自由が奪われた。長野県上田市の無言館という戦死した画学生の作品展示している美術館の紹介あり。戦中は教育とは国にとって有用な人材を作ることであり、学徒出陣で真っ先に戦地へやられたのは理系の学生ではなく音大や芸大の学生だったという。その美術館に行くことで「生きている限り、私は私にできることをやろうって気になるの。」 女性の投票権や経済的自立に関する母との価値観の違いを感じつつ新しい時代に期待をもっていた。そんな折米兵から暴行されるという痛ましい経験で追い詰められた日々に、初老の巡査から「生きて甲斐のある人間」という言葉に救われた話は、一緒に暗いトンネルからひとすじの光明を見ているようだった。自分が暴力で奪われたものを知り苦しみの理由に気づいて自分の意志で人生を選ぼうと猛勉強をして進学、就職氷河期の中映画界で女性宣伝プロデューサー第一号となったとのこと。その後は評論家、作家として著書多数。機会を見て取り寄せてみたいと思った。
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赤裸々に正直に戦時戦後を述べている。それぞれの戦中戦後。戦争がもたらす悲劇。二度と争いをしてはいけない。そう改めて感じた。
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戦争~終戦時、若い世代だった5人の著名人の女性たちがどう過ごしていたか。 男性版を先に読んでいたけど、こちらは対照的に、色のついた美しいイメージ。 この女性たちは本当に強い。恵まれた環境の方も確かに混じってはいるけど、それにしてもこの芯の強さ、信じるものの強さには、ただ溜め息をつ...
戦争~終戦時、若い世代だった5人の著名人の女性たちがどう過ごしていたか。 男性版を先に読んでいたけど、こちらは対照的に、色のついた美しいイメージ。 この女性たちは本当に強い。恵まれた環境の方も確かに混じってはいるけど、それにしてもこの芯の強さ、信じるものの強さには、ただ溜め息をつくだけです。 心の傷を受けつつも、必死で(世間と)戦ってきた印象の吉武輝子さんの章が、一番心に残りました。 おそらく全ての方がもっと嫌な思いも抱えていたのだろうけど、前向きになってそれらを払拭していると感じる点が、より綺麗に見せるんだろうな。
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