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宛先不明 鬼貫警部事件簿 光文社文庫
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宛先不明 鬼貫警部事件簿 光文社文庫

鮎川哲也【著】

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宛先不明 鬼貫警部事件簿 光文社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2010/07/07
JAN 9784334748128

宛先不明

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商品レビュー

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2022/05/03

慶次郎縁側日記シリーズを読んだ後だからか、もやもやする読後感だった。 <鬼貫警部事件簿>シリーズらしいアリバイ崩しを純粋に楽しめれば良かったのだが、犯人に対し、そこまでしてアリバイ工作をするくらいなら他のことを考えれば良かったのではないか、もっと言えば殺人を犯すよりも違うやり方が...

慶次郎縁側日記シリーズを読んだ後だからか、もやもやする読後感だった。 <鬼貫警部事件簿>シリーズらしいアリバイ崩しを純粋に楽しめれば良かったのだが、犯人に対し、そこまでしてアリバイ工作をするくらいなら他のことを考えれば良かったのではないか、もっと言えば殺人を犯すよりも違うやり方があったのではないかということにばかり気持ちが行ってしまった。 その点で言うと、犯人に同情は出来るが共感は出来なかった。逆に被害者には一ミリの同情もなく、犯人をここまで追い詰めた原点たる人間たちにも鉄槌が下って欲しいと思う。 巻末の『創作ノート』によると、この作品は学研で企画された「産業推理小説シリーズ」ということで、そのうたい文句は『自由化の嵐にもまれ急激に変貌をとげる企業。その中で生きてゆく個人の弱さ。組織と個人が分極現象をおこしている現代では、人間の善意は空しく葬りさられる。現代の悪とはなにか。人気作家が現代の歪みを鋭く抉りだしてビジネス・マンに贈る異色産業推理小説シリーズ』とのこと。 1964年が舞台なのだが、こういう構図は現代にも起こり得るし、現在放送中の大河ドラマなどを見ていても大昔から人間はこういうことばかりやってたのだなと気が塞いでしまう。 タイトルの『宛先不明』とはアリバイ工作に使われたあるもののこと。現代のような何でもできる時代とは違って交通手段も通信手段も限られた当時の状況で犯人が必死に考え抜いたトリックは興味深い。 ただ以前読んだ『積木の塔』同様、机上のトリックと現実とは違っていてそれを鬼貫は見事に突いた。 最後に鬼貫が犯人に同情を寄せるところはホッとするし、誰もが『宛先不明』になる可能性があるという言葉でこの作品の趣旨が分かるのだが、やはりその皮肉を受け取れない自分がいる。 慶次郎だったらどうするだろう、吉次を使って犯人を追い込んだ人間にも何かしらの落とし前を付けさせるのか、その前に辰吉や晃之助と共に走り回って何とかしているのか、なんて詮無いことを考えたりもする。 まだ慶次郎シリーズの余韻を引き摺っているようだ。 鮎川先生、すみません。

Posted by ブクログ

2010/12/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

鬼貫警部シリーズ 社員旅行中に殺害された伊吹。伊吹が強請ったっと思われる人物たち。洛陽出版の派閥争いに巻き込まれ痴漢の容疑をかけられ追放された木原。伊吹の殺害現場に残されていたネクタイ。木原に集まる容疑。木原がミステリ賞の受賞を逃した作家に出した手紙。手紙を出したタイミングでアリバイを主張する木原。  2010年12月24日読了

Posted by ブクログ

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