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建築の多様性と対立性 SD選書174
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 鹿島出版会 |
発売年月日 | 1982/11/01 |
JAN | 9784306051744 |
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建築の多様性と対立性
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商品レビュー
4.3
10件のお客様レビュー
本書は、ヴィンセント・スカーリー氏によって、ル・コルビュジエの『建築をめざして』以降で最も重要な書物と紹介されている。なぜなら、ル・コルビュジエが純粋なものを賞賛しているのに対して、正反対のことを述べているが、相互に補いあっているからだ。しばしば、ル・コルビュジエ、ミース、グロピ...
本書は、ヴィンセント・スカーリー氏によって、ル・コルビュジエの『建築をめざして』以降で最も重要な書物と紹介されている。なぜなら、ル・コルビュジエが純粋なものを賞賛しているのに対して、正反対のことを述べているが、相互に補いあっているからだ。しばしば、ル・コルビュジエ、ミース、グロピウスに代表される近代建築に対しての、アンチテーゼとして語られることが多い本書だが、実際には、ル・コルビュジエに関しては特に多様性と対立性が見て取れるとして、擁護している。つまり、この本は、「排除されることで得られる安易な統一」に対して否定しているのであって、近代建築全体を批判しているのではない。 純粋主義や機能主義と言われることがある、ル・コルビュジエだけれども、よく見ると、こんなにも多様性と対立性を内包しているんだよ、と教えてくれる。例えば、サヴォア邸の外観は把握している人が多いが、一階の柱がスロープのためにずらされ、「調整された対立性」が見られることや、実は正方形平面にみえて、そうではないという「曖昧さ」ところがあるところなど。近代建築で最もポピュラーと言っても過言ではない、サヴォア邸でさえ知っているとは言えないと思い知らされる。 また、コーリン・ロウの『マニエリスムと近代建築』で、ル・コルビュジエが歴史とつながりを持っていることを示したが、ヴェンチューリも、彼の作品に、過去の建築に見られるような多様性と対立性が見られる事を様々な例を挙げている点で、共通している。 このように、本書ではル・コルビュジエに対する見方に彩りを添えているのであって、決して否定はしていない点を理解しなければならないと思う。
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「屈曲」という概念が面白い。建物それ自体としては非対称で歪になるかもしれないが、より大きな全体の中の位置要素として見れば、その全体構造の中心性や象徴性を際立たせるような要素の非対称性を積極的な価値として認めていこうと。 理論的にH.サイモンとの関係も興味深い。
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予想していた「触覚性」につながる様な意味での、多様性(複雑性)とは結果的に少し違った。 しかし、「曖昧さ」という表現とその周辺の考え方は近しいものがあったように思うし、基本的にはモダニズム的なるものとは少し距離を置いた考え方を持っている点では共感できる部分が多かった。
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