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空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 長崎出版 |
発売年月日 | 2010/06/24 |
JAN | 9784860954024 |
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空が青いから白をえらんだのです
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商品レビュー
4.5
14件のお客様レビュー
空が青いから白を選んだのです。 これは1行の詩なのでした。 タイトルを知ったときに泣きました。 この1行でも この本を購入してよかった、と 思いました。 その少年たちの 詩。 文になっていない。 繰り返しが多く 主語と述語がまとまっていない。 詩を書いたことなどない。 ...
空が青いから白を選んだのです。 これは1行の詩なのでした。 タイトルを知ったときに泣きました。 この1行でも この本を購入してよかった、と 思いました。 その少年たちの 詩。 文になっていない。 繰り返しが多く 主語と述語がまとまっていない。 詩を書いたことなどない。 だから書けない。 そう書いた後、 ほとばしる心。 それこそが詩。 なかには 文壇の詩誌に 多くの手続きを経て掲載された詩も あり、 その書き手達の 期せずしてたちあらわれる資質が ここにとどめられていることが貴重と感じます。 それを見守る任務にある方々 その全体を包む この建物。 書いたことのない人の文章が 高度な文学的実験である ディコンストラクション脱構築や エクリチュールへの冒険の様相を呈していながら 意図されたものではなく 幼い頃の 幼い心のまま、 見守られることなく 成長を止めてしまったような その精神から発する言葉にある悲しみの その深い 悲しみの 淵をともに歩む心地がして 卒爾として 滂沱の涙か流れます。 隠せなかつたこと あるいは書ききれなかったこと、 を通して 少年たちの姿の 残像が投影されている。 その彼らがあるものは重い罪を犯し あるものは服役中にも 将来社会に出てこんな職業につきたい、と、 夢を抱き続けて、 ここで繭のなかのように守られながら もう一度 生き直す営みへとてさぐりで 自分と向き合い 未来へ向かっていく 手だてとして 言葉があることに 驚愕します。 私の身辺の人たちへ 贈りたい一冊です。 また 書いた少年たちへこの本の 印税が ゆきわたっていくことをせつに願います。 そこがわからないから 星は四つです。
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この本は、☆がつけられません。 、、、少年の詩、、、 くも 空が青いから白をえらんだのです ゆめ ぼくのゆめは…………… まほうの消しゴム なんでもかんでも 消せる消しゴム いやなことや いろんな人に迷惑かけたこと こんな自分を 消せる消しゴム そ...
この本は、☆がつけられません。 、、、少年の詩、、、 くも 空が青いから白をえらんだのです ゆめ ぼくのゆめは…………… まほうの消しゴム なんでもかんでも 消せる消しゴム いやなことや いろんな人に迷惑かけたこと こんな自分を 消せる消しゴム そんな消しゴムが あったらいいな つぐない きびしい刑務所生活 いつもかんがえる被害者の心のキズ つぐない つぐないきれない あやまち もう二度と つぐない 犯した事件 生きているまで つぐないつづける 青いイルカの物語 青色のイルカは 小魚をおいかけて 浅瀬にきました 子どもが イルカを見ていました イルカは 子どもを気にしながら泳ぎました イルカは 子どもが体をうまく動かすことができないことに気づきました イルカは 子どもと長いこと目を合わせつづけました イルカは 子どもの思いをかんじました それは一度でいいから イルカといっしょに泳ぐことでした けれども イルカは 泳ぎ去ってしまいました そして 広い海へといってしまったのです それでも 子どもの心は イルカに届きました イルカは 決めました 子どもといっしょに泳ぐことに 決めたのです イルカは浅瀬にもどり 子どもを背中にのせました イルカは子どもと 海へと泳いでいきました 子どもは いままで出したことのない笑顔を出しました なんかげつごに イルカはてんごくへとたびだちました 青色のイルカは 子どもと泳いだ夢を見ながら てんごくを泳いでいます こんなボク こんな未来を ボクは望んだだろうか こんな未来を ボクは想像もできなかった こんなボクの どこを愛せるの? なぜ そんなにやさしい眼で見れるの? 「だいじょうぶ まだやり直せるよ」って言えるの? こんなボクなのに…… こんなボクなのに ありがとう かあさん 、、、ここまで読んで頂いた、皆様、ありがとうございました。 、、、
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奈良少年刑務所の受刑者たちが書いた詩を集めたものである。所々に,編者(であり授業者である)寮さんの解説がある。この解説のお陰で,子どもたちが作った詩のチカラを改めて感じることができる。 たとえば… すきな色 ぼくのすきな色は 青色です つぎにすきな色は 赤色です とい...
奈良少年刑務所の受刑者たちが書いた詩を集めたものである。所々に,編者(であり授業者である)寮さんの解説がある。この解説のお陰で,子どもたちが作った詩のチカラを改めて感じることができる。 たとえば… すきな色 ぼくのすきな色は 青色です つぎにすきな色は 赤色です というこどもの詩がある。こんな詩を学校の子どもたちが書いたとすると,おそらくほとんどの担任・指導者は,「もう少し工夫してごらん」などと言うのではないか。 寮さんの解説にはつぎのような文章がある。 あまりにも直球。/いったい,どんな言葉をかけたらいいのか,ととまどっていると,受講生が二人,ハイッと手を挙げました。/「ぼくは,Bくんの好きな色を,一つだけじゃなく二つ聞けたよかったです」/「ぼくも同じです。Bくんの好きな色を,二つも教えてもらってうれしかったです」/それを聞いて,思わず熱いものがこみあげてきました。/世間のどんな大人が,どんな先生が,こんなやさしい言葉をBくんにかけてあげることができるでしょうか。(以下略) これが受刑者同士の授業風景である。寮さんは,あとがきの「詩の力 場の力」というところでも,つぎのように述べている。 わたしは,彼らと合評をしていて,驚くことがあった。誰ひとりとして,否定的なことを言わないのだ。なんとかして,相手のいいところを見つけよう,自分が共感できるところを見つけようとして発言する。(p152) そして,そんな子どもたちの姿がどこから来るのか観察して,刑務所の先生方の姿勢に気づくのだった。 先生方は,普段から,彼らのありのままの姿を認め,それを受けいれているというメッセージを発信し続けていらっしゃる。(中略)ともかく,いい機会さえ与えられれば,こんなにも伸びるのだ。それがなぜ,教室に来た当初は,土の塊のように見えたのか?(p152) 「社会性涵養プログラム」の一環として授業を引き受けた寮さん。彼自身も,次のように受講者から学んでいる。 わたし自身,詩を書く者であるのに,詩の言葉をどこかで信用していなかった。詩人という人々のもてあそぶ高級な玩具ではないか,と思っている節さえあった。/けれど,この教室をやってみて,わたしは「詩の力」を思い知らされた。(p.154) 特にわたしの心に残った詩の一端を少し(ネタバレ)。 ※ 誕生日…産んでくれなんて 頼まなかった わたしが自分で あなたを親に選んで 生まれてきたんだよね いつも いつでも やさしくて…くり返しがいいよ クリスマス・プレゼント…ぼくのほんとうのママも きっと どこかで さびしがっているんだろうな 「しゃかい」ってやつに いじめられて たいへんで 二倍のありがとう…ありがとう お父さん役までしてくれた ありがとう ぼくのお母さん ※ ところどこにはさまれている,刑務所の建物や内部の写真。建物自体が詩的な雰囲気に見えてくる。 本書には,本当はここに来るはずじゃなかった子どもたちの心の叫びと,そんな子どもたちがもともと持っている人間性を引き出す大人たちの世界が繰り広げられている。 年に一度ある,刑務所の見学会に行ってみたいなと思ったが,今じゃ,この建物はホテルになっている?らしい。
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