孤蝶の園の寵姫たち 月虹の鏡 コバルト文庫

夢野リコ【著】

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2010/06/30
• JAN: 9784086014298

商品レビュー

2011/05/14

鏡のお話の続編ですが、設定は全く異なってて、女の子同士の友情に重きを置いたお話です。

後宮に暮らすルウシェと蘭朱。王の寵愛はないものの、日々幸せに暮らしていたのに、ルウシェの一族が叛意したことから、二人の生活が一変していきます。

ルウシェを助けるために王の寵妃になった蘭朱。また蘭朱により助けられたあと、臣下である魏江漣の妻になったルウシェ。離ればなれにはなったけど、鏡を通じて親交はそのままで二人はそれぞれ、王と江漣と気持ちを通じていく・・だったはずが、一度鏡が近くになかったことで、蘭朱からの呼びかけにルウシェが答えられず、蘭朱の大切な人が死んでしまったことで、鏡を壊してしまった蘭朱。

それからはしばらく何もつながりがなかった二人でしたが、王が崩御したことで、再度鏡の力で再会。最後は完全なハッピーエンドで終わらなかったですが、久々に感動しました。

男女の仲にはあまり重点を置かれた話ではなかったですが、たまにはこういう友情話もよいです。前回の「傾国の美姫」もよかったですが、次回作があれば読みたいです。

2010/10/30

手堅く作られた女の子の友情物語。設定だけでご飯３杯行けそうな上手さなんですが、微妙に文章に勢いがないというか求心力がないというか？あとひと味何か加わってたら、傑作な気がするのになぁ。

2010/10/19

前回の説明文状態がややなくなった今回。
読みやすかったし、面白かったし、どろどろ女の戦い…ｗ

ヒロイン友情もの、なので、色恋沙汰（？）なし。
相手を想い、相手を支え支えられ、よい友人関係です。
が、確かにこういう状態になった場合、命をささげられるかといえば
…どうなのでしょう？
その瞬間こと切れるかもしれませんし、そう思うと
色々準備をしてから…とか思わずにはいられません。

望むものがあったからこそ、権力にも何にも屈せず
そのままでいられた心。
望むものは一緒。
けれど道を別れた自分達。
自分で選んだ道と、放り込まれた道。
幸せは、探して掴まないと、当然どこにもありません。