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八木重吉詩集 旺文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 旺文社 |
発売年月日 | 1978/01/01 |
JAN | 9784010611661 |
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八木重吉詩集
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八木重吉詩集
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文学と宗教のかかわりは密接である。本を読みつづけていると時折信仰というものに出会う。 例えばヘッセなどは正にそういう作家であり、そうすると行間を慎重に読み取ろうとする作業がはじまる。あくまで本を読みたいがためであるかもしれないが、自分が何か信仰する側の人間だったらと思うことはこれまで幾度もあった。 八木重吉もキリシタンの代表的な詩人らしく、詩にもおおきく反映されている。これまで読んできた信仰をはらんだ作品よりも彼の詩集には別の引力があった。それは彼自身に近づく死によるものである。信仰と死、ふたつの力がことばに宿ることで読みながらくっきりとした景色を映すことができた。僕は「太陽」という詩のはじまりの四行が好きだ。 あなたは総べてのものへいりこむ 炭にはいっていて赤くあつくなる 草にはいっていて白い花になる 恋人にはいっていて瞳のひかりとなる ことばの技術だけではない、八木重吉の人としての姿をみることができた。
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この詩集を本棚登録出来ましたことに、猫丸さんのお力添えがありましたこと、感謝、感謝でございます。 八木重吉の詩集を十代の頃、はじめて読んだ時、すとんと胸に落ちる、簡潔で美しい言葉に驚き、その詩の虜となってしまいました。 私の拙い言葉で八木重吉の詩の世界を語るのは、恐れ多く感ぜられ...
この詩集を本棚登録出来ましたことに、猫丸さんのお力添えがありましたこと、感謝、感謝でございます。 八木重吉の詩集を十代の頃、はじめて読んだ時、すとんと胸に落ちる、簡潔で美しい言葉に驚き、その詩の虜となってしまいました。 私の拙い言葉で八木重吉の詩の世界を語るのは、恐れ多く感ぜられます。心うたれる詩をいくつか書きつけます。 秋の瞳 より 花になりたい えんぜるになりたい 花になりたい 壺のような日 壺のような日 こんな日 宇宙の こころは 彫刻みたい! という 衝動にもだえたであろう こんな 日 「かすかにほそい声」の主は 光を 暗を そして また きざみぬしみずからに似た こころを しずかに つよく きざんだにちがいあるまい きょうは また なんという 壺のような 日なんだろう 赤ん坊が わらう 赤んぼが わらう あかんぼが わらう わたしだって わらう あかんぼが わらう 貫ぬく 光 はじめに ひかりがありました ひかりは 哀しかったのです ひかりは ありとあらゆるものを つらぬいて ながれました あらゆるものに 息を あたえました にんげんのこころも ひかりのなかに うまれました いつまでも いつまでも かなしかれと 祝福れながら ほそい がらす ほそい がらすが ぴいん と われました 空が 凝視ている 空が 凝視ている ああ おおぞらが わたしをみつめている おそろしく むねおどる かなしい 瞳 ひとみ! ひとみ! ひろやかな ひとみ ふかぶかと かぎりない ひとみのうなばら ああ その つよさ まさびしさ さやけさ 夜の薔薇 ああ はるか よるの 薔薇 稲 妻 くらい よる ひとりで 稲妻をみた そして いそいで ペンをとった わたしのうちにも いなづまに似た ひらめきがあるとおもったので しかし だめでした わたしは たまらなく 歯をくいしばって つっぷしてしまった 毛虫を うずめる まひる けむしを 土にうずめる 宇宙の 良心 宇宙の良心 ー 耶蘇 貧しき信徒 より 雨 の 日 雨が すきか わたしはすきだ うたを うたおう 春 雀をみていると 私は雀になりたくなった 桜 綺麗な桜の花をみていると そのひとすじの気持ちにうたれる 素朴な琴 この明るさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかね(て) 琴はしずかに鳴りいだすだろう 豚 この 豚だって かわいいよ こんな 春だもの いいけしきをすって むちゅうで あるいてきたんだもの 涙 めを つぶれば あつい なみだがでる 秋のひかり ひかりがこぼれてくる 秋のひかりは地におちてひろがる (ここで遊ぼうかしら) このひかりのなかで遊ぼう 無 題 神様 あなたに会いたくなった 、、、読んで頂いた皆様、ありがとうございました
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……どの詩を代表として挙げようとしても、できない。珠玉とか無垢とか信心とか、とにかく何かの一言では尽くせない。雨の日が嫌いだった私が、雨を愛おしく感じられるようになったのは、この詩集のおかげかもしれない。
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