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悪魔祓い 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/06/16 |
JAN | 9784003751084 |
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悪魔祓い
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商品レビュー
4
10件のお客様レビュー
ル・クレジオは沈黙の心地を知りながらも、この文を書いて沈黙を破った。それが内容とは別に、本書の面白いところだと思う。彼の感動は本物だ。しかし沈黙や歌にのみ"生"を感じるのであれば、ずっとインディオと共に暮らすことができたはずだ。しかしそうはしなかった。なぜか?...
ル・クレジオは沈黙の心地を知りながらも、この文を書いて沈黙を破った。それが内容とは別に、本書の面白いところだと思う。彼の感動は本物だ。しかし沈黙や歌にのみ"生"を感じるのであれば、ずっとインディオと共に暮らすことができたはずだ。しかしそうはしなかった。なぜか?彼の(精神的な)故郷がフランスにあったからだと考えられる。彼はインディオと共に暮らし、家族を感じ、インディオになって宇宙観を知りながら、一方の身体は別の場所で生まれて育ち別の軸を知ってしまっていた。文字を書かずにはいられなかった。感動の沈黙を破らずにはいられなかった。それは必ずしも悪いことを意味しない。彼が書いてくれなければ、私はインディオのこの脈動を知ることはなかった。そして書かなければ、彼は故郷に還れなかったのだ。 この本で沈黙の躍動を知る。一度言葉を発してしまえば、沈黙でない。一度声を発して仕舞えば、発して、発して、考えて、書いて、発して、言葉言葉言葉、うるさいくらい無限の回数のそれで打ち消し合った末に、沈黙とほぼ同じほどの凪ぎを得るしかないのではないか?彼の文はそれをしている。これは内の中の外、外の末にある内だと言えるのではないだろうか。 我々は家や街というシェルターで地球の体温を遮断した。安心の代わりに、森や、風や、温度、太陽、雨、季節、傷、動物と隣り合わせで生きることを失った。自然がない中で退屈しないように人類は新しく文化をつくり、文字を書き、絵を描き、音楽を奏でて、芸術を生み出したのだと私は考えている。私にとって、芸術は森の代わりなのだ。森に行けば芸術をしなくても満足してしまう。しかし、一度便利さを知ってしまえば森でずっとは暮らしていけない。森や海は遺伝子の故郷であるが、身体それ自体の故郷は街にある。だから両方に焦がれてしまうことは、誰にも責めようのないことだ。それを踏まえると、この言葉が本を読んだ時とは違うものに聞こえて来る。「芸術というものはなくて、あるのはただ《医術》だけだということを、いつの日か人々は悟るにちがいない。」私からすれば、この本も医術であり、この言葉の群生は宇宙的な生を知る役割を果たしてくれている。
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インディオについて熱く語った本。インディオの言語、音楽、祭り、刺青などについて、写真も交えながら、語っている。 「言語の爆発。世界の恐るべき沈黙、眼に見えない白い空、白い河、言い難く白い樹木と葉と大地と動物、これらすべての沈黙、この失語症、この知覚感覚、宇宙の麻痺をうち破らなければならない。動物、事物、ときとしては人間でさえも、わたしたちの喉をしめつけ、窒息させようとする。それらは、あなたの脳髄の中に腫瘍をふくらませ、彼らの血とリンパ液であなたを溺れさせるのだ。」p47 悪魔祓いについて語ったこの彼のフレーズは、ルクレジオ自身の言語観のようですらある。 「インディオは肌に模様を描く。すると彼はもはや裸ではなくなる。彼の皮膚は、鏡のようなものとなり、敵の目には、敵自身の姿しか送り返さない。そして同時に、なんたる奇蹟か、描かれた模様のそれぞれによって、皮膚には物が見え始めるのであり、それは幾千もの目でおおわれるのだ。」p124 インディオの刺青が鏡のようであるとは、なかなか言い得て妙な表現。私が刺青を入れるときも、ここで言われたインディオたちのような感覚をもつのかもしれない。 インディオの不思議な世界が垣間見えるいい本だった。
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良い本だと思うんですが、周りがひいているにも関わらず、作者の好き過ぎて熱くなって周りの様子が見えてない感が気になる。結構叙情的というか、しつこいねっとり。写真も付いてるし(本人と奥さん所有)、それで結構雰囲気伝わるのだから「私の生涯かけてます感」重いわあ。その写真の解説にも前書き...
良い本だと思うんですが、周りがひいているにも関わらず、作者の好き過ぎて熱くなって周りの様子が見えてない感が気になる。結構叙情的というか、しつこいねっとり。写真も付いてるし(本人と奥さん所有)、それで結構雰囲気伝わるのだから「私の生涯かけてます感」重いわあ。その写真の解説にも前書き書いてあって、「あくまでインディオ達が所有しているのは思想であって物ではない」 う、うるさい。でも本当に写真も内容もいい。作者がうっとおしいだけ。そんなに西洋文化をにくまなくてもいいじゃーん。
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