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公共ガバナンス BASIC公共政策学8
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2010/05/30 |
JAN | 9784623056576 |
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公共ガバナンス
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商品レビュー
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理論編、政府編、市民編の3部構成で、公共ガバナンスのものの見方や考え方にアプローチする書。「理論編」では、公共ガバナンスの概念と課題、よいガバナンスのチェックポイントを、「政府編」では、指標にみる日本のガバナンス成熟度、公共経営改革のガバナンス、政府の現代化を、「市民編」では、市...
理論編、政府編、市民編の3部構成で、公共ガバナンスのものの見方や考え方にアプローチする書。「理論編」では、公共ガバナンスの概念と課題、よいガバナンスのチェックポイントを、「政府編」では、指標にみる日本のガバナンス成熟度、公共経営改革のガバナンス、政府の現代化を、「市民編」では、市民の信頼と政府のガバナンス、ガバナンス評価情報の比較と利用、規制改革と幸福度の関係を考察している。 公共ガバナンスという概念はよく聞くものの、曖昧なイメージしか持てていなかったが、本書を読んで、まだ十分ではないものの、だいぶ具体的なイメージを持つことができた。ガバナンスの向上と効率性のトレード・オフという問題は難しいが重要な論点だと感じた。また、ガバナンスの向上は、単なる法令順守に陥るのではなく、市民の幸福の向上につながるものでなくてはならないという著者の指摘はもっともなことだと思った。
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BASIC公共政策学シリーズの1冊です。 本書は「公共ガバナンス」について、政府・市民それぞれの視点から論点をピックアップしたものになっています。本書全体の体系性はやや低めですが、各章における諸外国の理論の紹介や各国比較データを通じた分析には興味深いものがありました。 まず本...
BASIC公共政策学シリーズの1冊です。 本書は「公共ガバナンス」について、政府・市民それぞれの視点から論点をピックアップしたものになっています。本書全体の体系性はやや低めですが、各章における諸外国の理論の紹介や各国比較データを通じた分析には興味深いものがありました。 まず本書では、公共ガバナンスが「政府など公共組織において重要な意思決定や舵取りをおこない、また、それらを監視する仕組みやメカニズム」として定義されています。そしてその目的は、①生活の質の向上、②合意された基準や規範に対応する相互作用プロセスの質の向上、として設定されています。この点、ガバナンスの質と市民の幸福の関係性については本書の一貫したテーマと言えます。 関心を持った論点としては、政治信頼を扱った第7章があります。 著者は政治信頼を「信頼度=相手の業績/自分の期待」として定式化した上で、日本の政治不信の特徴について世界価値観調査を用いて検証しています。第1に、他の先進国との比較でみると、民主主義の価値に対する信頼度(約60%)が最低で、専門家政治への選好(約45%)がやや高くなっている点は興味深いです。第2に、自国の現状の民主主義への満足度(約37%)、行政への信頼度(約29%)、政策への民意の反映度(約21%)の低さなどが際立っている一方、政治的関心度(約62%)は先進国内でも高くなっています。このギャップの原因は、政治で最重要なものとして「もっと国民に発言権を与える」を選ぶ人の割合(40%)が高くなっている点に、端的に示されています。 これらのデータを踏まえ、著者は、政治の効率性を阻害しないガバナンス強化の手法として、結果責任を問うガバナンスの必要性を指摘しています。 また、補足すれば、著者による本章の継続調査(『行政の信頼性確保、向上方策に関する調査研究報告書』http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/chousa.html)では、行政信頼の要因分析が行われています。ここでも同様に世界価値観調査のデータを用いて、政府要因(政府のパフォーマンスに対する市民の評価など)と市民要因(生活満足度、政治関心度等)が検証されており、行政信頼は政府要因の影響を強く受けていることが明らかにされています。個別の要因では、政府の人権尊重度が突出して大きな影響を与えていることなど、なかなか興味深かったです。 また、第9章で取り上げられていた「規制改革」のデータにも関心を持ちました。 ここでは、OECDの各国比較データが紹介され、日本の規制ガバナンスが小泉政権下の改革の影響もあり平均的レベルに達していることが示されます。また、内閣府のデータによれば、規制改革には相当程度の経済効果が見られる一方、未だ民間企業経営者などからはビジネスの阻害要因として「非効率な政府」が指摘されていることなども明らかにされています。そして、各国データが示す市民の理想の社会像からは、ほどほどの規制・ほどほどの競争が志向されていることが分かります。この点、著者は、規制改革の効果が国民に実感されていない可能性を指摘しています。今自民党政権でも規制改革会議が復活し、つい先日も検討テーマとして医療、エネルギー、雇用等が示されたようですが、今後の動向が注目される所です。 また、今回は取り上げませんでしたが、前半部分での公共ガバナンスに関わるフレームワークの紹介なども参考になるものがいくつかありました。 興味のある方は読んでみてください。
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