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真善美社版 終りし道の標べに 講談社文芸文庫
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真善美社版 終りし道の標べに 講談社文芸文庫

安部公房(著者)

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真善美社版 終りし道の標べに 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1995/01/11
JAN 9784061963054

真善美社版 終りし道の標べに

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商品レビュー

3.8

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2020/01/26

安部公房 「終わりし道の標べに」 存在の意義、存在と自意識について探究した観念小説? とても難しいので、キーワードの 存在象徴 と「斯く在る」は 自分なりの読み替えで読んだ。 著者の文学的テーマ「異端性と移動性は未来へのパスポートである」が明確に描かれ、特に 第一のノート...

安部公房 「終わりし道の標べに」 存在の意義、存在と自意識について探究した観念小説? とても難しいので、キーワードの 存在象徴 と「斯く在る」は 自分なりの読み替えで読んだ。 著者の文学的テーマ「異端性と移動性は未来へのパスポートである」が明確に描かれ、特に 第一のノートは 著者の故郷喪失感、満州での異端者経験、死んだ友人が主人公モデルなど 私小説的。 序文「旅は歩みおわった所から始めねばならぬ」が全体を通した命題。旅=存在についての探究の旅〜自分の存在を問い直すみたいな感じ。 文学的想像力に驚いたのは、主人公が 阿片により思索の中で 過去の自分を生き直し、これから訪れる過去について 書き替えようとした点。 存在象徴 と「斯く在る」の意味を自分なりに読み替え *存在象徴=自意識の中の存在 *斯く在る=自意識のない存在=実際の人間関係における自分の存在 各章の探究点について自分なりに解釈 *第一のノート=故郷から存在の意義を探究 *第二のノート=自意識の中の存在と自意識のない存在の同時性を探究 *第三のノート=第二のノートの非同時性と神の存在の関係を探究 *最後は 死して 序文へ戻る感じ。神の否定?人間主義? ★第一のノート(終わりし道の標べに) 存在象徴の統一のために第二のノートを書く経緯を記述 存在象徴の統一 *存在象徴=思索の中の自分の存在 *斯く在る=実際の自分の存在 *統一=存在象徴に始まり 斯く在る に終わる一つの環を閉じる 存在象徴の統一とは、存在象徴と斯く在るを同一にすること 存在象徴を今一度生き直し〜第二のノートを通して これから訪れる過去について〜書き加える 存在故郷への旅は 無意味と結論づけた *故郷の喪失感は 存在について 思索と実際が違うため生じた *存在故郷への旅を終わらせ、存在象徴の統一を目指し、第二のノートへ ★第二のノート(書かざる言葉) 阿片により 彼女や友人とのやり取りを回想。存在の探究のため旅に出る。第二のノートを書けず終了。 ★第三のノート(知れざる神) 存在象徴の統一=存在象徴と斯く在る を同一にすることは 出来なかった。出来ない理由は 神の存在によるのではないか、という仮説により、第三のノートを書く 神の存在 *神は体験や気分が枯れしぼんだところに在る *祈りや言葉は 存在象徴 ★十三枚の紙に書かれた追憶 知らざる神の名を呼ばねばならない〜私は永久に死なない〜あの名をいつまでも口に出さないでいてやる ああ、やはり 旅は絶えざる終焉のために

Posted by ブクログ

2016/09/12

安部公房の事実上の処女作。序盤は純文学や歴史文学のようでもあるが徐々に公房らしさの原形が伺える。 文章は難解で言い回しも古く、時代背景や情景描写も無く人物の主観的かつ相対性で物語が進むため全体像が見え難い。正直、他の公房作品と比べると面白みには欠ける。 この作品はそれなりに味...

安部公房の事実上の処女作。序盤は純文学や歴史文学のようでもあるが徐々に公房らしさの原形が伺える。 文章は難解で言い回しも古く、時代背景や情景描写も無く人物の主観的かつ相対性で物語が進むため全体像が見え難い。正直、他の公房作品と比べると面白みには欠ける。 この作品はそれなりに味わい深いなのだが、「幻」だったのは増版せず再刊もない需要面からの理由であって、安部公房ファン以外にはお勧めしにくい作品ではある。

Posted by ブクログ

2012/10/06

安部公房幻の処女作。 この作品が高校時代の教師から埴谷雄高に送られて同人誌デビューと相成ったそうだ。 安部公房も埴谷雄高も好きで読んできたのだけど、この二人の関係はどういうわけか全く知らなかった・・・。 肝心の内容だが、まさに実存主義的かつ埴谷雄高のような作品。 その後の...

安部公房幻の処女作。 この作品が高校時代の教師から埴谷雄高に送られて同人誌デビューと相成ったそうだ。 安部公房も埴谷雄高も好きで読んできたのだけど、この二人の関係はどういうわけか全く知らなかった・・・。 肝心の内容だが、まさに実存主義的かつ埴谷雄高のような作品。 その後の公房の抽象的・超現実的な作風とは異なっているため驚かされた。 ゆえに幻の処女作という位置付けも分かるような気がする。 ただ個人的にはあまり物語に入り込めなかったというのが正直な感想。 若さゆえの自意識がちょっと目に余ったというか。 もっと若ければ深く掘り下げて読むこともあったのだろうが。 阿片が鍵となっているのだけど、その辺のつながりもイマイチ分からないまま。 ただこのような感想になったのも自分が読書という気分ではなかったせいもあるとは思う。 それでも本当に優れた作品は読み手の事情を鑑みずに心に侵食してくるものとも思うので、そういう意味ではそこまでの作品ではのかも。 安部公房を研究する上ではいい題材となりうるか。

Posted by ブクログ

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