超鋼女セーラ 白の楽章・恋するオトメの帰る場所 HJ文庫

寺田とものり【著】

• 販売会社／発売会社: ホビージャパン
• 発売年月日: 2010/05/01
• JAN: 9784798600406

商品レビュー

2010/05/09

女王宮に急展開あり

[ＤＳＫ]

予選から本戦に移行して、そのまま超鋼機武闘会（スティールアーツ）が素直に進むはずもないとは思っていたが、女王宮の方が出張ってきたというか、ようやく聖葬卿（聖葬騎士団）の現状が見えてきたというか、むしろ一枚岩でもなかったという“お家騒動”が勃発したようである。要するに「女王様」と呼ばれる存在の処遇が鍵を握る訳だが、今のところ真相までは見えない。まぁ、メインヒロインだからという実も蓋もない理由はさておき、ただでさえ「魂の器（ホジソンドライブ）」に計３つもの人格が宿るセーラの「近い未来」がチラ見せながら示唆されたことで、物語が最終章に入りつつあることを知らしめる青森本戦の幕開けである。また、本格登場した竜葬卿の特異性から繰り出される同時多発攻撃によってバトルに次ぐバトルとなる中で、みんなが力を合わせてこれに立ち向かう友情と絆のカタルシスを演出しつつ、茸味の、実に茸味らしい特殊能力の発現を見た訳だが、これを額面通りに受け取るか、それとも何らかの素地があるものと受け取るかも今後の楽しみとなった。もしや茸味（母）の徳子さんの素性にまで及ぶのか？と考えるのは深読みだろうか。ジョオの安否に本性まで判明するオマケ付きで、女王宮のバトルに一区切りはつくのだが、先方の反撃はあるのか？また、作中でも語られたように、現状では不可解となったラヴィニア“最期”の真相は？はたまた、今回文字通りの決意と決死の行動を見せた水脈と最後の射撃手との関係は？と、これまでの謎をある程度解明させながら新しい謎をさらに噴出させる、実に面白い展開である。

このような流れの中で、その激甘なラヴ方面に立ち向かおうとする鼻息の荒い人が１人いるが、セーラの反応に気付くべきだし、第一茸味とはタイプが違い過ぎることをいい加減自覚すべきでは？王ノ道蒼牙クン？