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日本らしい自然と多様性 身近な環境から考える 岩波ジュニア新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/05/27 |
JAN | 9784005006540 |
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日本らしい自然と多様性
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商品レビュー
3
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
岩波ジュニア新書らしい、ものすごく濃密で内容の詰まった新書。一体この内容をきちんと咀嚼していける高校生がどれくらいいるのか、いや普通に大人でもこれを理解できる人がどれくらいいるのかと思うほどの密度だ。 ハイライトは、「日本人は自然を愛すると自認しているが、それは自分の好みにあった特定的な部分のみを偏愛するものであり、全体的な生態系を重んじていない」という問題の指摘である。 「雑草という草はない」とは、牧野富太郎や昭和天皇の言葉として人口に膾炙しているが、この言葉の愛されようは、"自分の愛する対象の外"というカテゴリが日本人の自然認識に根強く存在していることをも意味している。 よく言われる、「人間も自然の一部だから、人間が自然を壊したり外来種を持ち込んだりするのも自然の営みだ」という詭弁も、「何が自然かを決定するのは私だ」という傲慢さゆえに生まれるものだろう。 筆者は、特定の生物種のみを愛護する日本人的自然愛には非常に否定的である。 そして、そういう「自分の愛する対象を守る」という狭い目的でさえも、それを取り巻く「雑草」全てに対して、調査と学問的知識の蓄積を行っていかねば不可能であるという厳しい指摘を、粘り強くこの本で行っている。 だが同時に、今の「大人」にこの指摘が伝わることを、著者はすでに諦めているようにも見える。 著者が見据えているのは、まだ自然観が固着していないこどもたちであり、彼らが本当の意味での生態系の尊重を理解し実行してくれることにしか、希望はないと感じているのだろう。 この本が、岩波ジュニア新書として存在している理由はたぶんそこにある。 そして、これを読んだもう若くない私も、己の固定した「自分が愛玩する自然」から離れた生態系への理解と尊重を、何とかして育まねばならない。 それは、まさに多様性を受容し尊重するという、われわれに突きつけられた課題そのものである。
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「私たち日本人」がどうのこうのと言いすぎていて、読む気にならなかった。 1946年生まれの人だから?そもそも、日本人って何よ?
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原生林などのありのままの自然生態系はできるだけ近づかないようにする一方で、人間と自然とが共生する半自然生態系を管理して維持することが、美しいふるさとづくりの決め手であるという。 半自然生態系とは、雑木林、茅場、水田のあぜ、ため池、用排水路の土手、谷津田周辺の刈り上げ場などのこと。...
原生林などのありのままの自然生態系はできるだけ近づかないようにする一方で、人間と自然とが共生する半自然生態系を管理して維持することが、美しいふるさとづくりの決め手であるという。 半自然生態系とは、雑木林、茅場、水田のあぜ、ため池、用排水路の土手、谷津田周辺の刈り上げ場などのこと。半自然系の多様性を取り戻すためには、それぞれの在来植物に内在する人間による干渉に対する反応特性のデータベースを積み上げる必要があると主張する。 ・水田を刈敷(田畑に敷きこむ若葉や草)だけで維持しようとすると、毎年水田の10倍以上の面積の山が必要になる。江戸時代の里山は、ススキやチガヤの生える草山、ハギや灌木、マツの幼木などが生える柴山が60%を占めていた。 ・日本の畑作地や草地は火山灰土(黒ボク土)。雨量の多い日本ではカルシウムの流出が激しいため、酸性を示すものが多い。酸性の土壌では、アルミニウムが外に出てリン酸と結合してしまうため、リン酸欠乏になる。 ・酸性の土壌ではアルファルファのような牧草が育たないため、明治以降も放牧による畜産が進まなかった。 ・チガヤは世界の農業者が選んだ強害雑草18種のひとつで、インドネシアやフィリピンの森林伐採して略奪農業を行った跡に広がっている。
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