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明日この手を放しても 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2010/04/24 |
JAN | 9784101325811 |
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商品レビュー
3.8
24件のお客様レビュー
人のすべてを知ることなんてできないけれど、徐々に成長し助け合えるようになっていく兄妹に幸多からんことを祈らずにはいられない。
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普通の物語ならば、目が見えなくなった主人公を家族が支え、新たなる人生の光を求める美しい展開となるんじゃなかろうか。 しかしながらヒロインの凛子は、目が見えなくなり、白杖をついて外に出たい理由が掃除用具を買いに行きたいという位の潔癖症で有り、ことある毎にウェットティッシュで手を...
普通の物語ならば、目が見えなくなった主人公を家族が支え、新たなる人生の光を求める美しい展開となるんじゃなかろうか。 しかしながらヒロインの凛子は、目が見えなくなり、白杖をついて外に出たい理由が掃除用具を買いに行きたいという位の潔癖症で有り、ことある毎にウェットティッシュで手を拭いている。「もっと周りが目の見えない人のことを考えるべき」と、ことある毎に主張し、論理立てて兄を論破する。 兄の真司は、顔は悪くないけれど常に振られ続け、不満があればそれ口にし、当たり散らす。 こんなところから始まる2人の物語は、なんと言えばいいのか、ひどく日常的でありふれていて、愚かで、そして途方もなく尊い。 ドラマティックな事件や感動は起きず、何かの出来事で劇的に人は変わらず。それでも生き続けるし、関係性は変えていけるという、時のちから、前を向く人間の生命力の強さを感じる。 最初の1~2章について行けないものを感じたとしても、ぜひ最後まで読んで欲しい。
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最後まですっきりしないから若干納得いかないところもあるけど、全体の空気感とかストーリーは好き。 思いやりって難しいんだよね。
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