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欠陥「国民投票法」はなぜ危ないのか アスキー新書
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欠陥「国民投票法」はなぜ危ないのか アスキー新書

隅野隆徳【著】

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欠陥「国民投票法」はなぜ危ないのか アスキー新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 アスキー・メディアワークス/角川グループパブリッシング
発売年月日 2010/04/10
JAN 9784048685634

欠陥「国民投票法」はなぜ危ないのか

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2010/05/29

 2010年5月18日「憲法改正国民投票法」が発効した。 2年前の安倍晋三内閣の時,右翼改憲派の総理が強行採決した法律がこれだ。  本書は,そもそも改憲を目論む右翼保守派の戦後の狙いをスケッチし、その歴史を背景に,現在の「国民投票法」の危うい問題点をえぐり出してゆく。 序 章...

 2010年5月18日「憲法改正国民投票法」が発効した。 2年前の安倍晋三内閣の時,右翼改憲派の総理が強行採決した法律がこれだ。  本書は,そもそも改憲を目論む右翼保守派の戦後の狙いをスケッチし、その歴史を背景に,現在の「国民投票法」の危うい問題点をえぐり出してゆく。 序 章 民主党政権の誕生と改憲問題 第1章 憲法改正国民投票法の仕組みと立法の不作為論 第2章 改憲問題の歴史 第3章 「欠陥法」ともいえる問題点 第4章 「憲法改正」で何が問われているか  では、「憲法改正国民投票法」の問題点は?本書から気になる点を見ると。    1・投票権者の年齢/当初,投票は18歳以上とされたが、関連各法との整    合性を保つ法改正が進まず,このままでは現行投票権者20歳以上に戻    ることになる。    投票権者として海外在住者や外国人がどうなるかもある。  2・発議の主体/衆議院で議員100人以上,参議院で50人以上の賛成と    なっている。このため少数会派の改定案は,発議権さえ与えられないこ    とになっている。  3・発議での衆参両院の対等性/現在普通の国会運営では,衆議院の議決が    参議院より優先している。これをこのまま、憲法改正議事運営に利用さ    れることは,改憲派を有利にする。  4・個別投票か一括投票か/例えば憲法9条を改訂することは、それ単独で    の個別投票では国民の抵抗が強いので,憲法25条とセットで一括投票    を求めるという方法で,問題を曖昧にずらして、9条を廃止してしまう    ことも可能。  5・投票期日/憲法改正案が国会で発議後,2か月から6か月の間に国民投    票をすることになる。    はたして、憲法改正案の趣旨と内容が正確に国民に理解されるか、そこ    が問題。憲法改正を進めようとする勢力は,国民が正確に理解しない間    に議決ができるようにしたいのだろう。  6・国民の過半数の賛成/この過半数は有効投票総数の半分を超えたもの、    とされているが、これでは例えば白票と云う意思表示を削って形式的に    決めてしまうという恐れがある。    国民の過半数の意志というならば、20歳以上の国民の,投票しなかっ    たものも含めた過半数という考え方があっても良い。    更に投票率の下限は決められていない。    例えば3人が投票して2人の賛成で憲法改正が出来る。ということでは    不味い。最低投票率を決めないのは,憲法改正派(自民・民主)の思惑    によるもの。  7・国の広報と,メディア・国民の声の規制/国の広報は憲法改訂派に握ら    れるので,それに対してメディアと国民の声は保証されるかというと、    これには規制をかけて不十分なものしかさせない、ということが予想さ    れる。    また公務員や教員にも規制をかけて活動させないが、かれらもそれぞれ    の職業についている、と同時に国民としての政治活動の権利は同等にあ    るべきではないか。  8・この法律の審議の段階で、国会議員や参考人の質疑や意見により,付帯    決議もかなりあるが、それらを実効あるものとする議論は全くない。聞    き置くに過ぎない状態にして、「憲法改正国民投票法」を執行しようと    している。    著者は,この法律の国会審議で,公述人もつとめた東大法学部出身,専     修大学法学部教授。現在同大学名誉教授で、記述の内容は法律家らしく    詳細につくされている。現下必読の一冊。   (10/5)

Posted by ブクログ

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