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風景の裂け目 沖縄、占領の今
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | せりか書房 |
発売年月日 | 2010/04/07 |
JAN | 9784796702959 |
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風景の裂け目
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB01862532
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
その場にいた自分の肩越しに事物を見つめることによって、当事者でありつつ、しかも同時に安直な当事者性を否定することができるのではないか。つまり、そこに生じる対象との微妙な<距離>故に見えてくることもあるのではないだろうか。(p.9) 重要なことは、<今・ここ>に意味を求めることではなく、未来に向けて自分/社会を想像/創造し直すことなのだ。私という身体に刻印されている<沖縄><アメリカ><日本>に目を凝らすことから見えてくる<風景>がある。(p.10) 看過できない二つの側面①文化にばかり目がいくことで政治や経済の問題がないがしろにされてしまうこと。②沖縄文化を称揚する言説を内面化した当の島民たちが、ある風景(南海の楽園、癒しの島)とある主体(明るく優しい沖縄人)を自ら呼び寄せてしまうこと。(p.11) メディアは知覚される<世界>の枠組みを決めることで個々人の日常意識の形成に大きく関与し、個人の記憶を公共の記憶に嵌め込む装置として集合意識の形成にも深く関わっている。私たちはもはやメディアを通して世界を見るのではなく、むしろメディアが見るように世界を見る。 海洋博は沖縄の風景から「政治」を捨象し、そこに「自然」や「文化」を書き込んだ。その経済的失敗とは裏腹に、人々のエネルギーを一定の回路に流し込む装置として海洋博は多くのことを成し遂げたと言える。事実、沖縄本島の空間を「祝祭化」し、人々の日常意識を編成し直すという点において、海洋博はその後の沖縄にとって重要な分岐点となった。(p.185-186) メディアの翻訳を通して記号が実体化され、「沖縄らしさ」を表現する付加価値がついたモノが身の回りに溢れるようになるとそこで暮らす人々にとっても変化が起きる。個人の記憶や感覚や経験が召喚される。そこにおいて沖縄人らしくあることを求められ、ついには自ら積極的に―しかし、そのことを自覚することなしに―その役割を演じていく。そのプロセスの果てに予想されることは、当のプロセス自体が忘却され、本質主義的な言葉で「沖縄」「沖縄人」を語り始めることだろう。「沖縄ブーム」に浮かれるここ数年の沖縄は、すでにその段階にさしかかっているように見える。メディアは、オリエンタリズムの内在化とでもいうべきこのプロセスに深く関わっている。(p.197)
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目次 第1章 占領の文化、文化の占領 第2章 琉球大学とアメリカニズム 第3章 他者のまなざし 第4章 風景の政治学 第5章 祝祭空間「オキナワ」―クリントン演説をめぐって 第6章 メディアに表象される沖縄 第7章 まなざしの政治学 第8章 沖縄を生きる
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