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トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2010/04/15 |
JAN | 9784062161572 |
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トレイシー
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フォート・トレイシーやフォート・ハントの元になった英軍が捕虜にしたドイツ軍の将軍や将校の会話を盗聴する為に盗聴器を仕掛けた尋問用の収容所の記録を元にして書いたゼンゲ・ナイツェルの「兵士というもの」を訳したり「有益な助言」をしたり担当編集者の人だったりが読まなかった本。なので訳者...
フォート・トレイシーやフォート・ハントの元になった英軍が捕虜にしたドイツ軍の将軍や将校の会話を盗聴する為に盗聴器を仕掛けた尋問用の収容所の記録を元にして書いたゼンゲ・ナイツェルの「兵士というもの」を訳したり「有益な助言」をしたり担当編集者の人だったりが読まなかった本。なので訳者は訳者あとがきで分かるように「アメリカ軍の捕虜になった日本兵について調べる物好きはいない」とでも思ったのか、呆れるようなデタラメを書き飛ばしたレーマー様とかいう「研究者様」の「御研究」を依拠したらしい。 「兵士というもの」はドイツ語の会話を英軍の関係者が英訳したものをナイツェルがドイツ語に戻したものを日本語に訳した本なので意味合いが変わっている可能性があるが、この「トレイシー」の場合は日本語やドイツ語の会話をアメリカ軍の関係者が英語に訳したものを日本語に戻した(ドイツ語の会話は英語から日本語に訳した事になる)ので同じような可能性がありそうだ。 復刻版が出ている「生ける屍の記」を依拠していた章があったり、NHKの先輩が取材したウルリヒ・ケスラー将軍の取材内容を依拠したりした点は気になる。ケスラーは技術士官ではなく偶然、副官が英軍の捕虜になったので「兵士というもの」に掲載された写真で分かるように前線部隊の指揮官であり、戦功騎士十字章ではなく騎士十字章を佩用して日本に向かっていた。本当に7月20日事件の関係者だったかどうかは知らない。 「アメリカ軍の捕虜になった海兵卒の大谷誠中尉」が誰かなのかは、こういう本を読む読者にとって自明の事なので隠す必要がないし、文庫版のあとがきで分かるように知っていながら書かない理由が分からない。 秦郁彦の「日本人捕虜」にはフォート・トレイシーは「実施された過酷な尋問で、発狂者を出した例も」ある「「赤煉瓦」の代名詞で捕虜たちから怖れられた」とあるが、この本には出て来ない。肉体的に痛みつけなくても心理的に追い詰めるような「過酷な尋問」をしていたのだろうか? ともあれレーマー様の粗雑な「御研究」とそれを鵜呑みにした人々(特に「有益な助言」をした大木毅)とは全然違う事を調べて書いたものだ。日本軍が捕虜になった時の心得を教育しないので「一宿一飯の恩義」で情報がダダ漏れした面があるにしろ、ここまで情報が漏れたものだ。 ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍が第22歩兵師団の聯隊長時代にウクライナでユダヤ人の虐殺という「最悪の仕事」を実行したと語ったのは盗聴器の前なので、ひょっとしたら日本軍将兵も戦争犯罪について語っていたかもしれない。
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20代の頃に読んだルースベネディクトの『菊と刀』を読んで以来の衝撃。 日本兵捕虜から、いかに正確な日本の情報を聞き出すか。 戦に勝つには、己を知れ。敵を知れ。 太平洋戦争時に、アメリカがここまで敵国日本の調査を行っていたなんて。 日本が負けるはずだよ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。近年公開が進むアメリカの極秘資料に対日捕虜尋問の実態を記したものが存した。これを分析し、戦中の米国の広範な情報収集の実態、クロスリファレンスの実像、さらには、捕虜尋問所での隠蔽事件を戦後に追跡した日米元軍人の行動や旧厚生省の応待について叙述。判りやすい文章で一気読み可能。「貴公を敵に廻したくはないものだ。勝てるはずがないからな」とは、とある小説の一シーンだが、本書の印象がまさにそれ。こんなに「正確」かつ「多量」の情報収集に貪欲な相手に勝てるはずがない。日本政府の情報開示への消極姿勢も判る。 さらには、情報士官の教育・指導の日米差異、適材適所に関する日米の考え方の違いも、示唆的。あるいは、多様な想定(平たく言えば、戦陣訓が定められても不可抗力で捕虜になることは想定すべき。)がなされていないのは、正直理解に苦しむ。あるいは、大島駐独大使らが米国に護送?されている際、パンツ(褌)内に米ドルを隠し持ち、さらに持っていないと申告していた事実は、なんともはやである。
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