海賊キャプテン・ドレーク イギリスを救った海の英雄 講談社学術文庫1989

杉浦昭典【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2010/04/10
• JAN: 9784062919890

商品レビュー

2017/07/21

二人目の世界周航者、フランシス・ドレークについて書いた評伝。1987年中公新書が初版である。

書きぶりは少し歴史小説のようなので、出典はなんなのかなと思うところはあるが、全体にいっておもしろくためになる。エンリケから大航海時代を説き起こし、テムズ川の船乗りの手伝いをはじめた少年時代からアルマダ海戦後のスペイン作戦で赤痢で死ぬまでを書いている。商船大学の先生が書いた本なので、帆船の細部の話が特長である。海賊が獲物を追うときに、帆を使わずに速度を偽装する方法（空の樽を曳航して速度を落とし、スキをみて切り離して急接近する）など、非常にリアルだ。ただし、無敵艦隊との戦いは英国側の大勝利として書かれていて、最近の本とはややことなる。

ニュー・アルビオン（サンフランシスコ付近）について知りたいので、読んでみたが、1936年に発見された金属板は結局、19世紀の偽作だったようだ。1579年にノバ・アルビオンの領有をエリザベス女王の名のもとに宣言したものである。現在のドレーク湾あたりらしいが、やっぱりよく分からんらしい。

ドレーク海峡はマゼラン海峡を抜けたあとに風にふきもどされたときに発見されたそうだ。

むかしの人は実地で鍛えてよく成長したんだなと思う。

2013/07/04

世界史を作った海賊　みすず新書を読んだ後にこの本を読むと抜群に面白い。

ヨーロッパの文化を変えるほどの力を発揮したのは、砂糖やコヒーやジャガイモやさまざまな新大陸から持ち込まれた物。

そして黒人たちの過酷な運命には同情。そんなつらい時代を生き抜いた黒人たちの末裔は非常に生存能力の高い優秀な人々に違いない。