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中国王朝の起源を探る 世界史リブレット95
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中国王朝の起源を探る 世界史リブレット95

竹内康浩【著】

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中国王朝の起源を探る 世界史リブレット95

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 山川出版社
発売年月日 2010/03/25
JAN 9784634349339

中国王朝の起源を探る

¥550

商品レビュー

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2010/05/22

「中国王朝の起源を探る」ということで、先史時代から西周までを取り扱っています。高校世界史の教科書では、中国古代史の取り扱いは相変わらず「黄河・中原中心」の記述となっています(最近では黄河文明ではなく、長江流域の文明もあわせて中国文明と言うようにはなってますが、文章中に長江文明に関...

「中国王朝の起源を探る」ということで、先史時代から西周までを取り扱っています。高校世界史の教科書では、中国古代史の取り扱いは相変わらず「黄河・中原中心」の記述となっています(最近では黄河文明ではなく、長江流域の文明もあわせて中国文明と言うようにはなってますが、文章中に長江文明に関しての記述は申し訳程度)。竹内氏が言うよう「各地の独自の文化が多数花開いていたというのが考古学からはむしろ明らかな事実であって、「中心と周縁」という見方すら適当とはいえない。夏・殷・周の「三代」も、それらが各時代や文化の「中心」であったと断定してよいものか、もっと慎重であってよかろう。現在みることができる文字資料では、たまたまそれらが優勢にみえているにすぎないのかもしれないからである。」(5頁)という指摘は心にとどめなくてはなりません。 では、本書の内容はというと、取り扱う時代が時代だけに仕方のないかもしれませんが、考古学的成果の羅列で少し無味乾燥(私の考古学に対する関心の低さだと思います)、最終章の西周以前についての内容には目新しいものではありません。そもそも文化多元論自体岩波講座の新版『世界歴史』の3巻で紹介されているように、すでにある程度広まっています(「三代」が各時代や文化の中心とすることに対する疑問は新鮮でしたが)。氏の「夏」王朝に対する態度も日本の研究者の中ではオーソドックス(要するに「夏」と名のる王朝があったかは確認できないが、そのモデルとなるようなある程度の統治システムを備えた「国」が存在したのは認められる、という態度)でとくに目を惹くというわけではありません。 しかし、こと西周に関することになると、大変興味深く読むことができました。理由としては第一に氏自身が(私の記憶が確かならば。間違っていたらごめんなさい)西周に関する研究を中心にしていること、氏が指摘しているように、この時代は孔子が理想化してしまったことから後世の儒家たちが西周のもつ「武」の側面を極力捨象してしまって文献資料が極端に少なくなってしまったこと、そして何より殷と春秋戦国時代に挟まれたこの時期に関する教科書の記述が極端に少ないことが挙げられるのではないでしょうか。本書では西周時代の金文(青銅器などに残された文字)をもとに西周氏を再構成して、周の克殷後も周辺には周に根強く反抗する勢力が少なからず存在したこと、周は常に周辺異民族との戦いに身を置かなければならず、その為に諸侯との関係を良好に保たなければならないこと、そしてその結果さまざまな矛盾をかかえ込むこととなり、自壊と諸侯の離反とが同時に進行して、最終的に「東遷」という結果になった、としています。 また氏が言っているように中国古代史は重要な発見が相次ぎ、数年前の主流な説が簡単に塗り替えられるという状況にあります。だからこそ面白いのですが、研究者にとっては気が抜けず大変だと真鍮をお察しします。

Posted by ブクログ

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