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渋沢和樹【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済新聞出版社
発売年月日 2010/03/18
JAN 9784532167363

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商品レビュー

3.8

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2020/02/17

所感 KDDIという会社がいかにして生まれ、どうやって成り立ってきたかが書かれたドキュメントです。 別の稲盛本を読んだときからの稲盛さんのファンですけれど、稲盛さんの「最後は人である」という考え方には本当に賛同します。というのも、私の経営哲学というか、働くことに対する姿勢の根...

所感 KDDIという会社がいかにして生まれ、どうやって成り立ってきたかが書かれたドキュメントです。 別の稲盛本を読んだときからの稲盛さんのファンですけれど、稲盛さんの「最後は人である」という考え方には本当に賛同します。というのも、私の経営哲学というか、働くことに対する姿勢の根本には、まさにこのことが根付いているからです。 私の仕事に伴うすべての選択・行動は、「人としてどうあるべきか?」「自分の仕事を受け取る人=お客様の利益につながる仕事をしているか?」を基準に判断しています。途中にいる誰かだけが得をするような仕事はやってはいけない。仕事とは社会奉仕だとは言われますが、ようするにこういうことなんだと思います。 また、エピローグにも記載されていましたが、多くの会社と短期間で一気に合併してしまったために、第二電電時代のマインドが欠落したメンバーが大半を占めてしまっているのは内部で働く者としてものすごく実感しています。おそらくですが、合併当時に第二電電以外のメンバーだった人間が、いま現在役職つきの上層部に上がってきている段階で、元々第二電電の頃のようなカラーがまるっきり薄まってしまっているのだと思います。事実、会社内は思いっきり縦割り社会であり、お客様の満足より自分たちの満足や利益を優先させる風潮がいたるところに散見されます。 彼らが第二電電時代のマインドを取り戻さない限り、KDDIはこのまま衰退の一途をたどるのは間違いないと思います。 DDIポケット時代からのKDDI、auファンである者としては、KDDIには本当に頑張ってもらいたいと思います。 文章表現/構成等について そもそも稲盛さんが書いた本ではないので、他の稲盛本とはまったく違うことに注意。しかも稲盛さんの経営哲学はチラリとしか触れられていないので、そっちを知りたいなら他の稲盛本を読まないとダメです。 KDDIの歴史を知るという意味では面白かったけれど、ぶっちゃけ著者の語彙が少なく、同じ表現が何度も繰り返されるのでだんだん読み飽きてきます。彼ははたぶん「徒手空拳」が大好きです(笑)。 ドキュメンタリーだけれど、もう少し伏線を張るとか、表現を工夫するとかなんか考えられなかったのでしょうか?小説家としての文章構成力もぜんぜん足りないと思います。 また、前半戦と後半戦で話の展開のテンポがまったく違っている上、表記されている分野や内容も明らかに違っています。意図的にそうしたのかどうかわからないけれど、ここまで違うのであれば2冊の本に分けたほうが良かったのでは? 残念だけれど、この本だけ読んだらこの人のほかの作品を読みたいとはまったく思えませんでした。 あと、稲盛さんの経営哲学を知るにはいくらなんでも情報が少なすぎるし、KDDIの歴史をさらっと知るには良いが、それにしては値段が高すぎる! 文章量、文章の質、内容的にいっても、文庫本サイズで出すべき。そのほうがきっともっと売れます。 概要 1章から3章は、固定電話時代の話。 稲盛さんが京セラの資本を注入して第二電電立ち上げ、圧倒的不利という下馬評を跳ね返し、たった四年でズブの素人集団が新電電のトップに躍り出るまでのストーリー。 立ちはだかる数々の難関(その多くはもはや妨害工作としか思えないNTTの事業方針)を、社員たちが自らの情熱で克服していく姿は、大人になるにつれて無くなってしまった「何か」を思い出させてくれる。 物語の最後、稲盛さんは第二電電の立ち上げメンバー達に語る。 「人には三種類の人間がいる。自ら燃える自然性の人間と…」 というおなじみのアレである。 そのなかで燃える人間だけを選んだんだと。 最初から想像を絶する困難が待ち受ける道を理解し、技術的なスキルよりもその困難に耐えうる人間的資質をメンバー選択の基準にしてしまう稲盛さんはやっぱり凄い。 4章から6章はケータイ時代 IDOとの交渉決裂からはじまり、結果首都圏を取れないという煮え湯を飲まされた第二電電が、全国に拠点別のセルラー会社を立ち上げてIDOに対抗し、三年にも渡るタフな交渉を乗り越えて最終的にNTTに唯一対抗できる通信事業会社「KDDI」が出来上がるまでの合併の物語。 少し第二電電側に寄った表現が目立つが、ここでもどんな困難な局面に陥っても自分たちの志だけは曲げない稲盛さんの意気込みには恐れ入る。そしてそれを支えたコアメンバーの方々のタフさもすごいと思った。 2010.03.25開始〜2010.04.02読了

Posted by ブクログ

2019/01/06

第二電電の”プロジェクトX”。 電電公社民営化・通信自由化の流れの中、第二電電・日本テレコム・日本高速通信がNCCとして登場した80年代後半当時、中学生だった自分は三社の成り立ちの違いなど正直あまり意識してはいなかったのですが、国鉄が設立した日本テレコム、建設省・道路公団がバッ...

第二電電の”プロジェクトX”。 電電公社民営化・通信自由化の流れの中、第二電電・日本テレコム・日本高速通信がNCCとして登場した80年代後半当時、中学生だった自分は三社の成り立ちの違いなど正直あまり意識してはいなかったのですが、国鉄が設立した日本テレコム、建設省・道路公団がバックについた日本高速通信と比べると、第二電電は唯一の”純民間”事業者であり、電電公社を含めたエスタブリッシュに取り囲まれた存在であったということを今更ながら認識させられます。 他のNCC二社が、新幹線の線路や高速道路といった基幹ネットワーク敷設のためのインフラを既に保有していたのに対して、インフラを一から構築しなければならなかった第二電電の負ったハンデはあまりに重く、それを克服していく過程こそが本著においてもっともエキサイティングな一場面です。 それにしても役所や国営企業が、本来公的資産であるインフラをあたかも我がもののようにして新事業を展開しようとするという構図自体、前時代的なものを感じます。 本著は、第二電電という会社の歴史とともに、稲盛和夫というカリスマ経営者の信念を描いた本でもあります。 なんといっても印象深いのは「動機善なりや、私心なかりしか」と繰り返し繰り返し自問するという件り。 その他、「値決めは経営である」「対等合併にいい合併は一つとしてない」だとか、きめ細かい管理会計により徹底した部門採算性を求めるなど、稲盛流の経営哲学を窺い知ることができるとともに、ビジネスマンの端くれとしては刺激を受けるところもあります。 第二電電を興した当時50代前半の”若手”経営者だった稲盛氏も今や80歳間近、現在でもJAL再生に力を尽くしているわけですが、時の移ろいに感慨を抱かざるを得ません。 高い志をもって奇蹟的な事業的成功を実現した第二電電も、90年代後半のNTT再編の流れの中、合従連衡の波にもまれながらKDDIとして生まれ変わりますが、このあたりの展開は足早且つ若干綺麗事として描かれている感があります。 KDDというもう一つのエスタブリッシュ勢力と一緒になることで失われたものはなかったのか、そのあたりに興味を持ちます。 また、ノンフィクション小説という形式をとり、序盤では第二電電に集った社員一人一人のキャラクタを結構細かく描いているにも関わらず、会社が大きくなった後半になるとそれがまったく活かされていないなど、一つの作品としてはやや尻すぼみな印象です。

Posted by ブクログ

2018/11/19

第二電電創業にまつわる小説仕立てのノンフィクション。「日本の電話料金を安くする」という私利私欲にとらわれない大義名分が多くの人の心を一つにまとめて、絶対不利といわれた逆境を覆す原動力になった。若き日の孫正義氏がDDIを踏み台にすべく回線接続用アダプタを売り込みに来た話などもあり、...

第二電電創業にまつわる小説仕立てのノンフィクション。「日本の電話料金を安くする」という私利私欲にとらわれない大義名分が多くの人の心を一つにまとめて、絶対不利といわれた逆境を覆す原動力になった。若き日の孫正義氏がDDIを踏み台にすべく回線接続用アダプタを売り込みに来た話などもあり、純粋に面白い。

Posted by ブクログ

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