フューチャーサーチ 利害を越えた対話からから、みんなが望む未来を創り出すファシリテーション手法

M.ワイスボード(著者), S.ジャノフ著(著者)

• 販売会社／発売会社: 明文図書
• 発売年月日: 2009/05/01
• JAN: 9784990329853

商品レビュー

2017/04/30

アプリシエイティブ・インクゥイアリー、ワールド・カフェ、OSTに続いて、ヒューマンヴァリューが放つホールシステムアプローチ第４弾「フューチャー・サーチ」！という感じ。

前３冊は、内容はさておき、翻訳がぎこちなくて、読んでてつらい感じがしたが、今回は、翻訳はだいぶこなれてきて、読みやすいかな？１ページあたりの字数が少ないのも読みやすくはあるが、その分、なんだか分厚くなって、重い。紙をもう少し薄いものにするとか、工夫して、もう少し持ち運びやすいものにして欲しかった。

で、内容だが、前３冊が、わりと哲学的、理論的な部分が多くて、考え方は分かるものの、手法としては、実際に体験してみないと分からないものになっていたのに対して、こちらは、きわめて具体的なステップが書いてあって、体験しなくても、よくイメージできる。

「フューチャーサーチ」のプロセスは、
・多様なステークホルダーが集まる
・過去の歴史を振り返る
・現在の課題を共有する
・将来のありたい姿を考える
・対立点は一旦横において、共通の土俵（コモングラウンド）を探す
・それに基づきアクションプランを考える
というもので、３日間のワークショップとして、進め方がきわめて構造化されている。

また、手法として、マインドマップやアプリシエイティブ・インクワイアリー、ストーリーテリングなどを組み合わせたものとなっている。

一見、実用度は高そうな本だが、実際にやるには、
・３日のワークショップ
・多様なステークホルダーの参加
・結論がどうなるかわからないことへのスポンサーシップの獲得
など、極めて高いハードルが存在する。

日本では難しそうだな。なんで、アメリカではこんなことができるんでしょうね。。。。

というわけで、この本の使い方としては、そのまま使うというより、いろいろなワークショップをやるときのヒント集という感じかな。