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「10年不況」脱却のシナリオ 集英社新書
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「10年不況」脱却のシナリオ 集英社新書

斎藤精一郎【著】

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「10年不況」脱却のシナリオ 集英社新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2010/03/16
JAN 9784087205336

「10年不況」脱却のシナリオ

¥110

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2012/08/17

2009年3月を底に景気は回復基調に入ったとされるが、著者は未曾有の10年不況に入ったとする。アメリカにはかつてのような復元力を期待できない。中国、インドといった新興国もアメリカにとって代わるには、なお時間を要する。10年は長期低迷するとの予測である。日本では長期間にわたるゼロ金...

2009年3月を底に景気は回復基調に入ったとされるが、著者は未曾有の10年不況に入ったとする。アメリカにはかつてのような復元力を期待できない。中国、インドといった新興国もアメリカにとって代わるには、なお時間を要する。10年は長期低迷するとの予測である。日本では長期間にわたるゼロ金利政策を実施されたが、これは実体経済を疲弊させるだけで何の効果もあげなかった。理論上は、経済、金融を活性化させるはずが、キャッシュを投下しても市場は停滞したまま預金に向かうだけ。政府の財政出動や中央銀行のキャッシュ供給は全く無効であった。金融政策が機能しなくなる流動性の罠に陥ってしまている。また、これは金利ゼロの日本円をただ同然で借りて、海外へ再投資する円キャリートレードの流れを生んだ。傍若無人な21世紀マネーは、リターンが上げられそうな株、債権、金、各種商品、為替に向かった。実体経済とはまるで別次元の投機的な買いは実体経済に大きな悪影響を与えた。アイスランドの住宅バブルを引き起こし、アメリカのサブプライム問題の遠因ともなった。しかもサブプライムローンを組み込んだ証券の購入比率が低いドイツや日本が、なぜか先進国の中でリーマンショックによるGDPの落ち込みが大きくなっている。両国に共通するのは、輸出連関乗数が大きい過度の輸出依存症という経済構造を抱えた国ということである。加えて日本の場合、ドイツが高度な医療機器や特殊な工作機械を扱っているのに対し、輸出品の大部分が一般的な製品。輸出相手国の内需に大きく作用されるため、輸出全体の落ち込みがさらに大きくなっている。輸出立国日本の経済構造は想像以上に脆弱。輸出主導論や内需主導論に拘泥している限り日本は確実に衰退への道を転げ落ちる。著者は日本経済の立ち直り策として「10年不況脱却のシナリオ」を主張する。日本は高齢化社会の進展により世界でもまれな人口減トレンドに直面している。国内市場も一段と縮小、内需拡大といっても高が知れている。今後も波状的な円高攻撃に見舞われることを考えれば、輸出依存型製造立国から海外直接投資型製造立国への転換することこそが日本経済を復活へと導く鍵になる。また、海外直接投資は、国内産業の空洞化を克服する手段でもある。日本には世界で勝負できる日本農業の潜在力があり、資源小国ではあるが素材大国として強みがある。日本こそが世界を救う10年不況脱却の旗手となりうるのである。大いに期待したい。

Posted by ブクログ

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