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アイポッドの後で、叙情詩を作ることは野蛮である。
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アイポッドの後で、叙情詩を作ることは野蛮である。

福田和也【著】

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アイポッドの後で、叙情詩を作ることは野蛮である。

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 扶桑社
発売年月日 2010/03/20
JAN 9784594061746

アイポッドの後で、叙情詩を作ることは野蛮である。

¥220

商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2011/07/19

福田和也といえば、永井荷風は覗き趣味で川端康成は宿賃滞納・ストーカー行為の性癖がありドストエフスキーにいたっては強姦・賭博癖・自意識過剰のとんでもない奴で、そういう変態・変人・悪趣味な人じゃないと大作家にはなれないということを書いた『ろくでなしの歌◆知られざる巨匠作家たちの素顔』...

福田和也といえば、永井荷風は覗き趣味で川端康成は宿賃滞納・ストーカー行為の性癖がありドストエフスキーにいたっては強姦・賭博癖・自意識過剰のとんでもない奴で、そういう変態・変人・悪趣味な人じゃないと大作家にはなれないということを書いた『ろくでなしの歌◆知られざる巨匠作家たちの素顔』(2000年)という隠れた名作(?)がありますが、その他にも彼には普通の一般的な記述に飽き足らない偏向した特別な視点からの著作があるような気がします。世評では、ほとんどが駄文でなかに本気で書いた幾冊かが高い評価を得ているというものですが、はたしてどうか。 本書のタイトルは、一目瞭然ですが、あのフランクフルト学派の思想家テオドール・アドルノが1949年に書いた『プリズム・・文化批判と社会』で「アウシュビッツの後に抒情詩を書くことは野蛮である」と言ったことのもじりですが、この本は福田和也がゲストと一緒に街を散策しながら、永井荷風・吉田健一・小林秀雄などの文学的営為とその作品からの引用、中に挿入されるつぶやき・思索・批評の欠片がパッチワークのように折り重なって醸し出される奇妙な雰囲気の≪ライヴ文芸論≫といったものです。 この本が彼の新たな傑作となるのかどうか、うーん、難しいところですが、でも他の人に真似のできない面白さに変わりはありません。

Posted by ブクログ

2010/07/31

文学と作家と旅と俳句と落語とカメラが渾然一体となったエッセー。何と表現すれば良いのか・・・落ち着いた、上品な、大人の、趣味的な?感じの文章と題材。喉越し爽やかなようでいて、どことなく引っ掛かる、そんな読後感。 木村伊兵衛の写真機に対する考え方が振るっている。長くなるが以下引用。...

文学と作家と旅と俳句と落語とカメラが渾然一体となったエッセー。何と表現すれば良いのか・・・落ち着いた、上品な、大人の、趣味的な?感じの文章と題材。喉越し爽やかなようでいて、どことなく引っ掛かる、そんな読後感。 木村伊兵衛の写真機に対する考え方が振るっている。長くなるが以下引用。 「モチーフを発見して、こうしよう、ああしよう。社会的意味からこう撮らなければいけないとか、自分の体験でこう撮らなくちゃならないというので、対象にカメラを向けてシャッターを切るでしょう。写真家はそこまでで、あとはメカニズムの所産なんだよ。」 その発言に対して土門拳や伊奈信男は猛反発し、土門は「写真家は真に芸術家として、最も個性的な範囲で、自分の世界観を印画紙の上で充分に出すような写真家にならなければいけないね」と説教し、伊奈は「しかしシャッターを押す場合は、機械に作者が乗り移っているよ」と云う。 カメラという機械が介在する以上、そのメカニズムによって多くの利便を受けるかわりに、それと同程度か、それ以上に、撮影する者はメカニズムの支配下に置かれる。写真機の操作に熟達すると、撮影者はカメラを完全に使いこなしている、支配しているという感覚をおぼえる。しかし、それは逆に云えば、操作する者が、メカニズム側の論理、そのアルゴリズムに違和感を持たないほど馴致されたということでもあるのだ。 設計者とコンピューターの関係に置き換えてみても同じことが言えそうだ。

Posted by ブクログ

2010/03/16

頭かかえてウワーんとなりそうな気分。気持ちが揺さぶられすぎて感想を書くのは難しい。「われわれは荷風を生きている。生きざるをえない。」・・・こんなことを、こんなふうに、書かれるとは。永井荷風『断腸亭日乗』への思いがつのる。歌うような言葉に踊る歓びよ。

Posted by ブクログ

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