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日本SF全集(第2巻) 1972~1977
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 出版芸術社 |
発売年月日 | 2010/03/10 |
JAN | 9784882933472 |
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商品レビュー
3.4
5件のお客様レビュー
石川英輔さんの本を一番最初に読んだのが、おそらく1978年から79年で、「ポンコツタイムマシン騒動記」。そのあとがきに、石川英輔さんの宇宙船の作品が紹介されていた。「おい、ハチ公!」で始まる「ポンコツ宇宙船始末記」。この作品をいつかは読みたいと思いをはせて、以来氏の作品を追い続け...
石川英輔さんの本を一番最初に読んだのが、おそらく1978年から79年で、「ポンコツタイムマシン騒動記」。そのあとがきに、石川英輔さんの宇宙船の作品が紹介されていた。「おい、ハチ公!」で始まる「ポンコツ宇宙船始末記」。この作品をいつかは読みたいと思いをはせて、以来氏の作品を追い続けた。40数年後、やっと出会いが果たせた。 いつも通っている図書館にそれはあった。 昔読んだポンコツシリーズや、その後に続く大江戸シリーズ、株式会社シリーズにはクオリティでは及ばないながら、あの頃の思いが蘇ってきた。年月をしみじみ感じる感動の読了感。
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田中光二「メトセラの谷間」 山田正紀「かまどの火」 横田順彌「真夜中の訪問者」 川又千秋「指の冬」 かんべむさし「言語破壊者」 堀晃「アンドロメダ占星術」 荒巻義雄「柔らかい時計」 山尾悠子「遠近法」 鈴木いずみ「アイは死を越えない」 石川英輔「ポンコツ宇宙船始末記」 高斎正「ニ...
田中光二「メトセラの谷間」 山田正紀「かまどの火」 横田順彌「真夜中の訪問者」 川又千秋「指の冬」 かんべむさし「言語破壊者」 堀晃「アンドロメダ占星術」 荒巻義雄「柔らかい時計」 山尾悠子「遠近法」 鈴木いずみ「アイは死を越えない」 石川英輔「ポンコツ宇宙船始末記」 高斎正「ニュルブルクリングに陽は落ちて」 河野典生「機関車、草原に」 野田昌宏「レモン月夜の宇宙船」 鏡明「楽園の蛇」 梶尾真治「美亜へ贈る真珠」 全集1同様、これまで読む機会のなかった作家の作品を読めて良かった。 以下、未読だった作品に適当にコメント。 田中光二「メトセラの谷間」 幻の谷に秘密の村。日本的なものとSFの組み合わせとしてはわかりやすい一本。 山田正紀「かまどの火」 やっぱすげーや山田正紀。仏教物理学、ブラックホール、事象の地平線。なんだかよくわからなくてもすごい。 横田順彌「真夜中の訪問者」 横断歩道SF。 川又千秋「指の冬」 既読感を覚えてなんだと思ったら「幻詩狩り」の元になったもののよう。短編だけでも十分面白い。 かんべむさし「言語破壊者」 実験小説の類。一度は読んでおくべき作品? 堀晃「アンドロメダ占星術」 正統派ハードSFといった趣。 荒巻義雄「柔らかい時計」 火星を舞台に、ダリがテーマとなったホント独特な作品。ぐにゃぐにゃ。タイトルもいい。収録作のなかで一、二を争うレベル。 山尾悠子「遠近法」 今回、一番拾いものをしたと思えた作品。山尾悠子の名前は最近目にした記憶はあるけれど作品は読んだことがなかった。これを読んで一気に注目することに。円筒状で回廊が取り巻く「腸詰宇宙」のイメージを文章で伝える力がとても凄い。 鈴木いずみ「アイは死を越えない」 夫と妻の寿命をめぐるあれこれ。 石川英輔「ポンコツ宇宙船始末記」 夢のある下町SF(笑) テリー・ビッスンっぽい。 高斎正「ニュルブルクリングに陽は落ちて」 男の美学。いかんせん、自分は車の格好良さがわからない。 野田昌宏「レモン月夜の宇宙船」 SF読みのための物語。 鏡明「楽園の蛇」 オーパーツである指輪のモチーフから予想される展開にいくのかいかないのか考えてたらやっぱりいった。 梶尾真治「美亜へ贈る真珠」 非常にクオリティの高かった伴名練の「美亜羽へ贈る拳銃」の元ネタタイトルという理由で、前々から読みたかった一遍。 時間SFであり、すてきなお話。最後の場面が印象深い。
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心から楽しみにしていたアンソロジー タイトルそのままやまっすぐな「メトセラの谷間(田中光二)」はとても美しい作品。ただし、そのぶん、インパクトはない。 設定がワクワクするブラックホールワールドの「かまどの火(山田正紀)」は、仏教用語が読み手を混乱させてしまうのが惜しい。も...
心から楽しみにしていたアンソロジー タイトルそのままやまっすぐな「メトセラの谷間(田中光二)」はとても美しい作品。ただし、そのぶん、インパクトはない。 設定がワクワクするブラックホールワールドの「かまどの火(山田正紀)」は、仏教用語が読み手を混乱させてしまうのが惜しい。もう少しわかりやすくならないかなぁ。 息抜きのスラップスティック作品「真夜中の訪問者(横田順弥)」はこんなものかな。 伊藤計劃風の「指の冬(川又千秋)」は先進的、前衛的だと思うが、後半の展開に息切れが目立って残念。神となった彼に妻が必要か? いきなりハードにはじまる「言語破壊官(かんべむさし)」だが、やはり後半はいつものパターン。おもしろさはあるけどね。 大好きな作家さんの「アンドロメダ占星術(堀晃)」は、はじめて期待外れ。最初から乗れず、持ち直すことができなかった。 火星にDVDとして送られているという「柔らかい時計(荒巻義雄)」には興味津々だったんだが、私の好みではなかったなぁ。 そして、もっとも興味があった作家さんの「遠近法(山尾悠子)」。とてもファンタジックな作品。ただし、難解で情景が見えなかった。他の作品をぜひともトライしたい。 異色作家の「アイは死を越えない(鈴木いづみ)」は、あまりSF色がない。イマイチかな。 次の「ポンコツ宇宙船始末記(石川英輔)」はスラップスティックというか、不真面目な感じ。おもしろくない。 人類絶滅の「ニュルブルクリングに陽は落ちて(高斎正)」は、なんとも切ない。オイルが焼ける臭いがする不思議な物語。 次の「機関車、草原に(河野典生)」、「レモン月夜の宇宙船(野田昌宏)」、「楽園の蛇(鏡明)」はどれも乗らずにパス。 ラストは既読「美亜へ贈る真珠(梶尾真治)」。この全集は6巻あるそうだ。コンプリートしたいな。
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