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統合失調症(1) 精神医学重要文献シリーズHeritage
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2010/02/25 |
JAN | 9784622082330 |
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統合失調症(1)
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70年代から80年代にかけて、統合失調症の、主に発病過程をめぐる論文を集めたもの。これは専門書である。読者の対象は研究者・医者・医学生であって一般人ではない。ときどき、よくわからない専門用語も出てくる。 自分のことを言えば、すでに癌で死んだ姉が重度の統合失調症(分裂病)であった。...
70年代から80年代にかけて、統合失調症の、主に発病過程をめぐる論文を集めたもの。これは専門書である。読者の対象は研究者・医者・医学生であって一般人ではない。ときどき、よくわからない専門用語も出てくる。 自分のことを言えば、すでに癌で死んだ姉が重度の統合失調症(分裂病)であった。この病気には興味があるのだが、共感的に理解することはすこぶる難しい。 こういった専門書を読むと、幾多の臨床経験をもつ医者が、科学的な視点を中心に、経験をふまえた精緻な分析をおこなっているのが興味深い。しかし、こと精神疾患に関しては、「科学によって解明された」と言える段階にはほど遠い。 この本の最初の論文「統合失調症の発病段階とその転導」がおもしろかった。 発病時臨界期までの時期を、中井久夫さんは順に「余裕の時期」「無理の時期」「焦燥の時期」と区分する。その過程で「ゆとり」が失われ「きゅうくつ」な状態に患者が陥っていく感じは理解できる。ただし、健康な「余裕の時期」について、「親しい人びと、近しい事物は自己の延長であるように扱われ、・・・」と、あたかも生後間もない乳児の「自己と世界とが未分化な状態」であるかのように書いてあるのは疑問に感じた。 素人の理解で言うと、統合失調症は自己と世界との関係が異様な「統合性」のなかに無理矢理組み込まれてしまう状態ではないか、と思うのだが、そうであれば、病前の時期は、世界と自己は健康的に分化している状態なのではないかという気がする。
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