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岩佐美代子の眼 古典はこんなにおもしろい
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 笠間書院 |
発売年月日 | 2010/03/02 |
JAN | 9784305704979 |
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岩佐美代子の眼
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今年2020/1/17に亡くなられた、和歌研究家の岩佐美代子氏への2005年の聞き書き記録。 正直なところ和歌研究に無知な私は全く存じ上げない先生なのですが、この本を褒めるツイートがおくやみ報道時に相次いだため、少し興味を持ちました。 この本でいちばん興味を持った一文は「第七章...
今年2020/1/17に亡くなられた、和歌研究家の岩佐美代子氏への2005年の聞き書き記録。 正直なところ和歌研究に無知な私は全く存じ上げない先生なのですが、この本を褒めるツイートがおくやみ報道時に相次いだため、少し興味を持ちました。 この本でいちばん興味を持った一文は「第七章 セクハラ裁判支援」の中の文。これは鶴見大学退官後に「清泉女子大学セクハラ事件裁判」の原告(二次セクハラ被害者)を支援しておられたときに、原告への対応方針として語った部分。 「私は今までの経験で、困った事を自分で解決してきて、見に染みて思っていたのはね、何によらず困った時に、一番欲しい人は、まずこちらが、「こういう風にして下さい」と言ったら、その通り正確に早くやってくれる人。それともう一つは、黙って入り用な時に、お金を出してくれる人。それからもう一つ言えば、何でも文句言わずに、「そうかそうか」と聞いてくれる人ね。(p. 152)」 ということで、原告からの電話があったらいつ何時であろうと話を聞いて、自分の意見は言わずに「そうかそうか」に徹したのだそうです。そうするとこうなる。 「ただ、本人が口に出して言うと、自分でその間に考えがまとまる。何にも私が言わなくても、最後に「ああそうか、こうすればいいんだわ」と向こうが言うんです。そこまで聞いてあげる。それが、一時間以内では駄目。絶対、一時間と四分。一時間四分聞いてあげればそこまで行く。(中略)無責任なようで、実はとても疲れる仕事ですが。(p. 153)」 聞いていて、本当に聞くことだけに徹するのは、とてもとても大変だと思います。 余談ですが、清泉女子大学にそのような事件があったことはこの本で初めて知りました。原告の方(秦澄美枝氏)はこの事件に関連した本を3冊書いておられるとのことなので、そちらもいつか読んでみたいと思います。 (長文になったので残りははてなブログに書きます。→ 2020/6/14やっと書きました https://riocampos.hatenablog.com/entry/20200614/iwasamiyoko )
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古典文学研究者岩佐美代子さんの聞き書き。NDLでの非常勤職員の時に組合活動。1970年代から運動があったんだ。
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(2010.08.30読了)(2010.08.18借入) 岩佐美代子さんという方は何をする方なのか全く知りませんでした。週刊ブックレビューで紹介されていたので、図書館から借りて読んでみました。 国文学者ということなのですが、大学に入って国文学を学び、国文学者になったわけではありま...
(2010.08.30読了)(2010.08.18借入) 岩佐美代子さんという方は何をする方なのか全く知りませんでした。週刊ブックレビューで紹介されていたので、図書館から借りて読んでみました。 国文学者ということなのですが、大学に入って国文学を学び、国文学者になったわけではありません。女子学習院高等科を卒業してその年に見合いし、19歳で結婚しています。 高等科のときに久松潜一先生の講義で、永福門院の歌を二首教えてもらった。 花の上にしばしうつろふ夕づく日入るともなしにかげ消えにけり 真萩ちる庭の秋風身にしみて夕日のかげぞかべに消えゆく 難しいこと、何にも言っていない、今だってそこいらにいくらでもあるような景色なのに、こんな歌、見たことがなかった。いっぺんに好きになりました。(48頁) この歌の入っている風雅集という勅選集は、正統とされる南朝方に反対した北朝方の天皇によって作られた歌集ということで無視されていた。 (万世一系誇る天皇家にとって、南北朝を論ずることはタブーだった。) 29歳になった時、夫が留学でアメリカに行き、子供も学校に行くようになったので、暇が出来たので、永福門院の勉強を開始した。 36歳のときに、久松先生の指導を受けながら「永福門院の歌の全部の評釈」に取り組み始めた。 52歳で、立教大学の講師を一年間務め、59歳で、鶴見大学文学部教授になっています。 「はじめに」によると、 岩佐美代子といえば、京極派和歌、中世女性日記の研究者として名高い。父は民法学者穂積重遠で、学問の家・穂積家に生まれ育ち、結婚後独学で研究者になった人。四歳より13年間、昭和天皇第一皇女照宮成子内親王のお相手を勤めた、女房の目をもった国文学研究者として知られている。 と書かれています。 この本は、岩田ななつさんが岩佐さんにインタビューして、まとめた本です。岩佐さんの生い立ちや研究の様子が綴られています。実に興味深い内容です。 ●困った時には(152頁) 私は今迄の経験で、困ったことを自分で解決してきて、身にしみて思ったのはね、何によらず困ったときに、一番欲しい人は、まずこちらが、「こういう風にしてください」と言ったら、その通り正確に早くやってくれる人。それともう一つは、黙って入り用な時に、お金を出してくれる人。それからもう一つ言えば、何でも文句言わずに、「そうかそうか」と聞いてくれる人ね。 ●電話での相談は1時間と4分(153頁) 相談ごとの電話は、向こうがいうことに対して、反対したり自分の勝手な意見を言わないで、とにかく聞いていること。本人が口に出して言うと、自分でその間に考えがまとまる。それが、1時間以内では駄目。絶対、1時間と4分。1時間4分聞いてあげればそこまで行く。 ●4歳の辞令(172頁) 母の箪笥の中に、巻いて赤い紐で結わえてあるものがあって、開けたら、一番初めに宮様のお相手をするときの辞令だったんですね。4歳の頃の私の名前で。 ●昭和天皇は退位すべき(184頁) 終戦の時に、天皇制なくさなかったのは、残念なことだったと思います。どんなに辛くても当時の時点で天皇の戦争責任をはっきりさせるか、それをうやむやにして、いつまでも後遺症を引きずるか、どっちがいいかということですよ。少なくとも、昭和天皇は退位すべきでした。 ●天皇制廃止を(185頁) 天皇、そしてご一家は、お幸せかと言ったら、そうじゃないんですから。基本的人権はおありにならないし、止めたくてもその自由もおありにならない。個性も発揮できないで、したいことはできず、公式的に御立派、と認められるような人格だけが要求される。 ●文学研究に必要なこと(190頁) センスがなかったら、文学の研究はできません。 沢山読むこと。古いものから、新しいものまで。ジャンルを問わずね。 読書とは、目で読むんじゃなくて、朗読、口で読むんです。 古典文学に興味をお持ちの方にお勧めです。 (2010年8月31日・記)
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