代替医療のトリック

サイモン・シン(著者), エツァートエルンスト(著者), 青木薫(訳者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2010/01/30
• JAN: 9784105393052

商品レビュー

2025/07/12

被害者と言って良いか分からないが、代替医療を信奉した果てに助からなかったという人は多い。スティーブ・ジョブズはその象徴だろう。被害者と言い切れないのは、ジョブズほどの知性ならば、自らの健康状態に対し、何かしらの確信を持っていたのかも知れないからだ。

だが、私個人の思想で言えば、プラセボが効いてない状態で「科学的裏付けの無い」療法は、ほとんど信じない。科学的根拠を導く努力をすれば良いではないか。

私の周りにも、盲目的だが〝趣味として“民間療法を楽しむ知人がいて、その場合は放っておいている。しかし、癌に効くハーブなどを信じ過ぎて医学を無視するならば、やはりその時には、説得の努力をするはずだ。

ー　誰かが新しい治療法を提案したなら、それが効くかどうかを判断するためには、意見ではなく科学を用いるべきだとヒポクラテスは言ったのだ。科学は、真実について客観的なコンセンサスを得るために、実験や観察を行い、実地に試し、意見を戦わせ、真剣に話し合う。一度結論に達してからでさえ、もしや間違いがありはしないかと、自分が言ったことまでもほじくり返して調べ直す。

本書では、ヒポクラテスの警句を指針として、今日急速に人気の高まっている多種多様な代替医療に科学の目を向けていく、というのが前口上。

瀉血、鍼、カイロプラクティック、ホメオパシー、そして、ハーブ療法。勿論、ゼロか百かで全てを否定するものではない。しかし、盲信する危うさについて気付くべきなのだ。本書に触れておくか否かで、その耐性が変わってくるはず。

本を読むという事は、信仰に対する免疫になるという点においても意義深い。

2025/06/28

代替医療といわれるものの真実を追求し、その無効性を訴えたもの。科学的根拠のないものが現在でもいかにはびこっていることか。

2022/02/13

代替医療というのをご存知でしょうか？代替医療とは通常医療に替えて行われる治療法で民間療法などをさします。有名な例で言えば、スティーブ・ジョブズは癌治療をして民間療法を行ったことが知られています。本書は、これら代替医療を検証して嘘を暴いているものです。