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トランスクリティーク カントとマルクス 岩波現代文庫 学術233
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2010/01/18 |
| JAN | 9784006002336 |
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トランスクリティーク
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商品レビュー
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カントとマルクスの思想を横断的に批判、すなわちトランスクリティークに読み込むことで、資本主義社会を乗り越える、言い換えれば、アソシエーションを実現するためにはどうすればいいのかを考察する。 『資本論』を宇野弘蔵の解釈をもとに、資本主義社会は、恐慌や革命が自壊することなく、あた...
カントとマルクスの思想を横断的に批判、すなわちトランスクリティークに読み込むことで、資本主義社会を乗り越える、言い換えれば、アソシエーションを実現するためにはどうすればいいのかを考察する。 『資本論』を宇野弘蔵の解釈をもとに、資本主義社会は、恐慌や革命が自壊することなく、あたかも永続するかのように続くと著者は見なす。そのため、現状の資本主義を変えるためには、流通過程に注目するべきだと説く。そこで、対抗ガンのような運動を作り出すことで、資本制経済を打破できると仮説する。 ちなみに、この運動は、消費者としての労働者が、非資本的な生産(消費協同組合、代替通貨)、労働力を売らない、資本制生産物を購入しないといった運動で、資本主義社会の内側から変えようと試みる。このように、単に資本や国家を真っ向から否定するだけでは不十分で、労働者が消費者として現れる場において、しかも、個々人が主体的に活動することでのみ実現可能である。 以上から、資本主義経済がどれほど強固で、恐慌や革命等では簡単に終わらないことが分かる。それと同時に、資本主義経済の内側に風穴を開けるために、個々人(労働者かつ消費者である人々)がいかに対抗して、新しい社会へと移行できるのかを本書から読み取れる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
従来、農村共同体の中では互酬が、封建国家の中では強奪と再分配が、そして共同体と共同体の間では貨幣による交換がなされていた。資本主義の発展の中で農村共同体は解体され、封建国家は崩壊した。絶対君主制が出てくる中で王は商人階級と結託する。これを筆者は国家と資本の「結婚」という。フランス革命以後、国家とネーションの間でも「結婚」があり、国家=資本=ネーションは三位一体のものとして現われるようになる。 筆者が否定するのは、国家が上部構造で、資本が下部構造という従来のマルクス的な見方である。国家=資本=ネーションが三位一体である以上、資本に対抗すれば国家とネーションに回収されてしまう。このことは、経済が圧迫されれば国家が再配分を強めるとともにナショナリズムが高揚することに表れている。したがって、筆者が提唱するのは資本と国家への対抗運動である。 では、そのためにはどうすれば良いのか。筆者が注意するのは以下の2つである。一つは、剰余価値は生産過程だけでなく、流通過程を含めて始めて生まれるということ。剰余価値が生まれることを抑えたければ、生産過程では労働者である消費者が、商品を買い戻さなければよい。もう一つは、剰余価値はグローバルなレベルで生まれるということ。好況期には多くの労働者が雇われ、利潤率は低下する。信用の加熱を経て恐慌が起こる。それでも世界レベルでは、平均的な利潤率が保たれる。それは、技術革新を行うことで新たな利益を生み出している国に剰余価値が集まってくるからだ(この辺り、あまり理解できていない)。したがって、一企業や一国家に対する闘争ではなく、トランスナショナルな運動を起こさなければならない。
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クリティカルシンキングと一概に言っても、スタンスの型がいくつかあるのだと、思考を深めるきっかけになりそうな一冊でした。
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