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絵画鑑定家 ランダムハウス講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ランダムハウス講談社 |
発売年月日 | 2010/01/12 |
JAN | 9784270103357 |
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商品レビュー
3
4件のお客様レビュー
良くも悪くもヨーロッパ映画のよう。ハリウッド的なハラハラ展開は望むべくもなく。個性は際立つものの、人物の魅力は薄いかな。いい題材なのに地味。いつ盛り上がるのかと思ってるうちに終わり。
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主人公は貴族の末裔。多分働かなくても十分食べていけるのでしょう。生い立ち上身に付いた審美眼を元に、画商という仕事をしています。表立っては言わないけれど、若い芸術家のパトロンもしています。会合に顔をだして食事代を出したり、取材旅行にいくとなれば資金をポイと出したり。 若者たちがそう...
主人公は貴族の末裔。多分働かなくても十分食べていけるのでしょう。生い立ち上身に付いた審美眼を元に、画商という仕事をしています。表立っては言わないけれど、若い芸術家のパトロンもしています。会合に顔をだして食事代を出したり、取材旅行にいくとなれば資金をポイと出したり。 若者たちがそういうことに決まり悪い思いをしているのがわかるから、まったく頓着していないふりまでします。実際主人公には痛くも痒くもない額ですから。 そんな彼の元に持ち込まれた一枚の「ヴァロットン」。これを競売に掛けてほしいという依頼。さらには裏がありそうな女優かぶれの美女。彼には親密な思い出のある一枚なのですが、どうやら秘密がありそうで…。 所謂名画と、贋作。その違いは何か?という問答に心引かれました。どこまでが模写か。模写が原作を越えることはあり得ないのか?その場合贋作者もまた天才と言えるのではないか…? 元はただ絵に見とれるしかできなかったくせにだんだんと画家の名前や時代に興味を持つようになってしまった今、改めて自分の感じる「絵画のよさ」はどこにあるのか、考えさせられる一冊になりました。
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アドリアンは名門ヴァインフェルト家の末裔として生まれ、絵画競売会社で鑑定家として働いている。 絵が生家にたくさんあったからゆえにスイス絵画の専門家となった。 働くことに経済的な意味はない。だが規則的な生活には職業は必要だ。 身につけるものは全て父親の代からの仕立て屋による高級オ...
アドリアンは名門ヴァインフェルト家の末裔として生まれ、絵画競売会社で鑑定家として働いている。 絵が生家にたくさんあったからゆえにスイス絵画の専門家となった。 働くことに経済的な意味はない。だが規則的な生活には職業は必要だ。 身につけるものは全て父親の代からの仕立て屋による高級オーダーメイド。 世界に一人きりになってもディナーの前にはシャワーを浴び、ディナージャケットに着替えるだろう。サマセット・モームの世界をこよなく愛している。 育ちのよい温和なアドリアンは非常に地味な(それでも庶民の虚栄心を満たすには充分な)生活をしているが、ある女の登場で彼の生活にさざ波が立つ。 その女ロレーナは30代後半のモデル上がりのいわば「すれっからし」。 昔の恋人に似ているとはいえ、アドリアンがなぜ、このロレーヌにここまで惹かれるのかはちょっと首を傾げてしまうところもあるのだが、男女の関係というものは意外とそんなものなのかもれない。 ロレーナはそばかすが散る赤毛で細身の女で、いうなればアイルランド的な容姿なのだろうが、その描写がなんとも絵画的だ。 小説にはヴァロットンの『暖炉の前の女』がストーリーの中心として登場するが、その容姿はなぜだかロレーナを想像させる。絵の女はかなりたっぷりとした下半身の女なのだが。 作品紹介にはサイコスリラーとあるが、ミステリーというよりは個人的にはちょっと風変わりで洒落た恋愛小説という感じ。 サイコスリラーというフレーズは完全に忘れたほうがよいと思う。 物語前半はとくに、アドリアンのような人々のライフタイルがどのようなものなのかを描いた、そこだけに集中している。 超リッチなアドリアンのような特権階級の人々の生活に興味がある人にはたまらない小説だと思う。
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