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文庫はこう読め! マチャアキ的文学論
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 彩流社 |
発売年月日 | 2010/01/20 |
JAN | 9784779114885 |
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文庫はこう読め!
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商品レビュー
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1件のお客様レビュー
もうすぐ二周忌だなんてまだ信じられません。 肉声を聞きたければ、音楽番組のDJ場面をテープに録音してあるものを回すとか、内藤誠監督作品の映画『俗物図鑑』(1982年)を見れば41歳の頃の彼に会うことができます。 この本は、平岡正明が書いた34冊の文庫本の解説だけを集めた本です。...
もうすぐ二周忌だなんてまだ信じられません。 肉声を聞きたければ、音楽番組のDJ場面をテープに録音してあるものを回すとか、内藤誠監督作品の映画『俗物図鑑』(1982年)を見れば41歳の頃の彼に会うことができます。 この本は、平岡正明が書いた34冊の文庫本の解説だけを集めた本です。該当する小説を読んだ人には、読後感がより深まるような斬新な視点からのアプローチが、まだ読んでいない人には、その小説の面白さの濃縮されたエキスを浴びることによって、なにがなんでも読みたくなる衝動を受け止めることができます。 ところで、映画やドラマでは脇役が主役を食ってしまうということがたまさかあります。 本の場合、脇役とは解説のことで主役はもちろん本文の小説です。本来どうあがいても数百倍の長さの長編小説もしくは数編の短編・中編小説になまじ勝てるはずがないのに、しかもあくまで引き立て役のはずなのを無視して、獰猛果敢に挑戦する解説というものが万にひとつあるのですが、わが平岡正明の場合が往々にしてそれに当たります。 一般的に脇役としての出しゃばらない清く正しい解説というものがもしあるとしたら、それはおそらく本文の小説を読んだあとにはスッカリ忘れてしまうようなものかもしれませんが、たいていの解説は、贔屓の引き倒しの提灯持ちや経歴を概観しての整理とか(そういえば近年、書評家といって評論家でも批評家でもない本のあれこれを書いて生計を立てている人種が出没していますが)ほとんど誰にでも書けそうな代物で退屈なだけのものが多いのですが、そんなありふれた凡百の解説とは比較にならないのが、この平岡正明の限られた短い頁数でひとつの文学論に昇華しているケースです。 筒井康隆・大藪春彦・五木寛之・河野典生・船戸与一・山田風太郎・団鬼六・西村寿行・梁石日などについて、そこら辺の文芸評論家ではありませんので、客観的な評価とか文学史的な位置づけには何の興味も示さず、ただ猪突猛進して同調者としての思いのたけを、たとえばあるときはジャズ理論的に、またあるときは革命情勢論的に述べるのですが、その小説や小説家が嫌な顔を見せる直前に、たいてい小説の細部や象徴的部分へと話題を移して、まさかの衝突をヒラリと交わすという離れ業をやってのけるのです。 ひとことでいって、こんなにも痛快な解説は他の誰にも真似のできるものではありません。 見本をお見せしましょう。 寺山修司の『誰か故郷を想はざる』(角川文庫、1973年5月)について「寺山は民主主義者である」のタイトルのもと・・・・・ 書き出しがこうです。「目のさめるような高音だ。高音域の解像力とピシリときまる像の明瞭さでは寺山修司は当代一の執筆者ではないかと思う。」
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