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ミムス 宮廷道化師 Y.A.Books
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小峰書店 |
発売年月日 | 2009/12/24 |
JAN | 9784338144315 |
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ミムス
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ミムス
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商品レビュー
4.4
21件のお客様レビュー
フロリーンには、「王子」としての誇りがあり、地位が高い。それ故、王子から道化師になるのは、彼にとって屈辱だった。一方、道化師としての師匠ミムスには、「人を笑わせる役割を持つ」という誇りがあるが、地位は低い。そんな二人が、絆を育んでいく。 地位に関係なく、人間として誇りを持つの...
フロリーンには、「王子」としての誇りがあり、地位が高い。それ故、王子から道化師になるのは、彼にとって屈辱だった。一方、道化師としての師匠ミムスには、「人を笑わせる役割を持つ」という誇りがあるが、地位は低い。そんな二人が、絆を育んでいく。 地位に関係なく、人間として誇りを持つのだということを、フロリーンはミムスから学び取ったのだろうと考えました。
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子ども向け小説なんですよね、これ。でも、なんだか濃密な閉塞感のある物語で、読んでてけっこうしんどかったです。でもまあ、読み応えがあったと思います。【2021年3月1日読了】
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思春期の少年を主人公に、中世ヨーロッパの架空の国どうしの争いが描かれているという点では、『王への手紙』に似ているが、こちらはより時代考証などが綿密に行われている上、王子が策略にはまって、父である王と家臣を人質にとられ、敵国の宮廷道化師となるという設定が暗く、更に師匠の道化師が敵か...
思春期の少年を主人公に、中世ヨーロッパの架空の国どうしの争いが描かれているという点では、『王への手紙』に似ているが、こちらはより時代考証などが綿密に行われている上、王子が策略にはまって、父である王と家臣を人質にとられ、敵国の宮廷道化師となるという設定が暗く、更に師匠の道化師が敵か味方か、聖か邪かわからない複雑な人物である点でも、『王への手紙』より深い内容となっている。 宮廷道化師といっても、先日読んだ『ベラスケスの十字の謎』の道化師たちのように、ある程度の身分が与えられ、衣食住のレベルは庶民よりずっと上の扱いを受けている道化師とは違い、芸をする動物たちと同じ塔の粗末な部屋で、藁を寝床にし、一日粥を一杯しか与えられないという生活。絶えず飢えに苦しみ、道化をして褒められた時に与えられる食べ物を、それこそ動物と同じように貪り食う。王の機嫌を損ねれば容赦ない拷問を受ける。時に下品な踊りや見世物を王子が敵国の王のや家臣たちの前で行わねばならない屈辱。 育ちがよく、 知的で柔軟性があり、能力の高い主人公だからこそ、その苦しみは凡人よりも深く、激しい。それが読者にもリアルに伝わってくる。 更に、敵対する国どうしの問題、王の娘との交流、友情、父王の処刑が迫る中果たして助けがくるのかといったサスペンス要素もあり、最後まで目が離せない。 師匠のミムスだけでなく、敵国の王も冷酷な敵キャラといった一面的な描き方はせず、家族には愛情を注ぎ、家臣には慕われる人物として描く。どこに身を置くか、どの視点で見るのかによって、人間も出来事も変わるのだというメッセージが様々なエピソードから伝わってくる。 憎しみや暴力に、憎しみや暴力で対抗する限り、真の平和が訪れることはないという メッセージも。 映像化しても面白そうだが、ミムス役はかなり上手い役者がやらないと、多面的な深い魅力を伝えるのは難しいだろう。 翻訳は、たくさんの言葉あそび、駄洒落、掛詞などがあり、本当に大変だっただろうと思うが、日本語としても無理のないものになっている。 久々に満足できるYA作品だった。
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