ウサギ料理は殺しの味 創元推理文庫

ピエール・シニアック(著者), 藤田宜永(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2009/12/21
• JAN: 9784488284022

商品レビュー

2025/04/30

なぜ殺人が起きるのか、そのカラクリがだんだんわかってくる中盤以降はまだいいとして、そこまでがなかなかの苦行だった。
登場人物が多く、慣れない名前で覚えにくく(人名なのか店名なのか地名なのかもわかりにくい)、そしてこれだけの人が出てくるのに誰一人好感が持てない。
文章は癖が強くて読みにくいし、時系列が大事なのにわかりにくかった(わざとかもしれないが)。
ブラックジョークとしては面白いと思うけど、好きになれない要素が多すぎてマイナス評価になってしまった。

2025/02/26

なんだこれは、というのが一番の感想。

途中までは王道ミステリ感もあったけど、途中からこの探偵は全然使えないな……？ということに気づく。
やたらと登場人物が多く、各々の行動についても細かく書かれるから冗長に感じたけど、あ〜それはちゃんと書かなきゃいけない意味があったんだなぁという納得はした。
街のみんながセックス狂なのにも一応意味はあった。
犯人が判明したあたりではワクワクして先が気になったけど、その後にもまだ続きがあって驚き。
そこからが特にいやいやいやいや(笑)となる部分。
ブラックユーモアがきいてる。

手が込んでいるのに無茶苦茶で、なんと言っていいのか悩むところだけど私はそんなに嫌いではなかった。
でもすごくおもしろかった！というわけでもないし、めちゃくちゃ人を選ぶ作品だろうなとも思う。

2025/02/21

ミステリ史上に残る怪作、とか、読み終わって途方に暮れた、とか、アクが強い、とか、奇妙奇天烈とか、作品を形容する言葉たちが強すぎて一体どんな話なんだ？　と読み始めて、速攻納得。読み終わって途方に暮れるどころか読んでる途中から大混乱よ。筋がどうのとかじゃなくて、街の人々の変わった様子…いや人間の本質ってもしかしたらこんなもんで、それをこうも赤裸々に地の文で書かれるから呆気に取られてしまうのかも…？と思ったり、いやいくらなんでも…と思ったり。

カセットテープの下り以降、解決に向けて物語が整理されていくのかと思いきや、まあ整理はされてるかもしれないけど物語はブレーキ壊れた暴走車が山を下っていくかのような…。とにかくアクが強いし、何をどうすればこんなことを思いつけるのか、最悪の落語みたいな話だった。

めっちゃくちゃに面白いのは確かで、怪作で傑作で、ほんとに唯一無二の小説だとは思う。すごいものを読んじゃった…