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風は山河より(第6巻) 新潮文庫
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風は山河より(第6巻) 新潮文庫

宮城谷昌光【著】

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風は山河より(第6巻) 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2009/12/24
JAN 9784101444567

風は山河より(第6巻)

¥110

商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2018/02/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

ひと月の間、天下の武田信玄を城に食い止めるという、菅沼新八郎定盈の壮挙が描かれる。そのクライマックスで語り終えるのでなく、東三河の野田から関東の阿保へ、菅沼家が移封されるまでを丁寧に描いているからか、それとも、架空の人物である野田四郎の因縁にも6巻越しの決着をつけているからか、物語完結の余韻をしみじみと感じさせる、堂々の最終巻。

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2017/02/21

清康から家康までの三代における三河地方の攻防を、徳川家家臣の野田菅沼家を主人公に描く。家康や信長などの武将達は突然現れたわけではなく、先祖から続く周囲との関係性や歴史的な流れの中にあるという、当たり前のことを、これまで意識していなかったと感じた。ある断面の分析ではなく、継続した流...

清康から家康までの三代における三河地方の攻防を、徳川家家臣の野田菅沼家を主人公に描く。家康や信長などの武将達は突然現れたわけではなく、先祖から続く周囲との関係性や歴史的な流れの中にあるという、当たり前のことを、これまで意識していなかったと感じた。ある断面の分析ではなく、継続した流れが見えると、理解が深まる。 著者である宮城谷昌光氏は、司馬遼太郎の私淑しているという。文章に司馬さんが影響が感じられ、読んでいて心地よい。

Posted by ブクログ

2014/04/20

歴史小説を書くということは、歴史の中に一つの視座を定め、その視座に沿って一つのストーリーを切り出すということである。 長く中国古代史を書いてきた宮城谷さんは、日本の三河の小豪族の物語であっても、堂々たる正史の視座をとる。即ち、王者となるものには王者たる正当性があり、徳があり、そ...

歴史小説を書くということは、歴史の中に一つの視座を定め、その視座に沿って一つのストーリーを切り出すということである。 長く中国古代史を書いてきた宮城谷さんは、日本の三河の小豪族の物語であっても、堂々たる正史の視座をとる。即ち、王者となるものには王者たる正当性があり、徳があり、その徳を慕って義や勇を備えた部下が集まってくる。そして欠かせないのは悪役というか、ライバルの存在。殷の紂王は暴戻に走って徳を失った、項羽は軍事において劉邦より優れていたが度量の大きさで劣っていた、と、ライバルの高い壁を乗り越えたのも単に戦に勝ったとか、幸運だったでは済まされず、ライバルよりも王者に相応しいことの立証が求められる。 そう思って読むと、この物語は面白い。徳川家康は何故天下を取れたのか、さまざまな歴史家や小説家が取り組んできたテーマだけれども、豊臣秀吉か、石田三成か、はたまた織田信長かと、彼のライバルをどう設定するかで描き方が変わってくる。本書では武田信玄をライバルと捉え、三河の山河に護られた者たちと武力優先の甲州軍団の攻防を、物語のクライマックスとして描く。そのクライマックスを導き出すために半世紀にも渡る三代記を描いたのだから筆者の執念は相当なものだ。執筆当初は「筆が進まなかった」というのも、長い年月を貫く徳なり情義なりを見出すのに時間がかかったということだろう。

Posted by ブクログ