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一階でも二階でもない夜 回送電車 Ⅱ 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2009/12/25 |
JAN | 9784122052437 |
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一階でも二階でもない夜
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一階でも二階でもない夜
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商品レビュー
4.6
10件のお客様レビュー
やさぐれて本に救いを求める時、手にするのは須賀敦子のエッセイか、白水Uブックスの翻訳もの(柴田元幸訳か村上春樹訳)と決めている。これらの本はいつもワタシの本棚の積ん読列に並んでいて、今回もどちらかを読もうと本棚に向かった。そこではたと堀江敏幸のエッセイがあることに気がついた。6年...
やさぐれて本に救いを求める時、手にするのは須賀敦子のエッセイか、白水Uブックスの翻訳もの(柴田元幸訳か村上春樹訳)と決めている。これらの本はいつもワタシの本棚の積ん読列に並んでいて、今回もどちらかを読もうと本棚に向かった。そこではたと堀江敏幸のエッセイがあることに気がついた。6年前にブックオフで買った古本だ。ずっと積ん読列に鎮座して風景の一部になっていたせいか、まったく目に入っていなかった。そして今回、6年の鎮座を経てようやく手にした。 パリ滞在時のエッセイも楽しいのだけれど、ワタシはそれ以外の、つまり、ちょっとひねった日常の風景から入って行く彼のエッセイの方が味わい深くて好みだ。町の中の小さな公園、フランスのテレビで見た日韓W杯、閉園間近の遊園地のゴンドラ、見知らぬ男にもらったタバコの火、抜歯した後に食べるチョコレート、などなど。しかも、エッセイの書き出し数行で想像した内容と、少し違うエンディングを迎える話が少なくなく、堀江エッセイの味の深さをじっくり感じられる。もちろん、清涼感の高い空気感に包まれているのは、いつもの堀江ワールドと同じ。ただ、本書では、著者のちょっと抜けたところも感じられて、水色に近い清涼感の中に、少し赤味がさしているようにも思えた。 また、ワタシの個人的な特記事項としては、須賀敦子が亡くなった直後に著者が書いたエッセイが本書に収録されていることだ。冒頭に書いた通り、半分の確率で須賀敦子の本を手にするつもりだったところ、堀江敏幸のエッセイ集に目が留まってそれを手にし、そしてその中に須賀敦子への追悼エッセイがあった。(しかも、美文!) なんという巡り合わせ。積ん読列に呼ばれたとしか思えない。
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堀江さんの静かでどこか温かい文章が好きで、回送電車Ⅰに引き続いて読んでみました。 54篇の散文。 須賀敦子のこと、獅子文六の悦ちゃんが紹介されています。
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ロベール・クートラス展にて図録と一緒に販売していたのを買って読んだ。クートラスについては『無神論者の聖人』というタイトルがつけてあった。まさにキリストのような髪と髭と澄んだ瞳の画家にぴったり。しんとした静けさをもつ堀江さんの文章とクートラスの画が重なりあうよう。田中小実昌、須賀敦...
ロベール・クートラス展にて図録と一緒に販売していたのを買って読んだ。クートラスについては『無神論者の聖人』というタイトルがつけてあった。まさにキリストのような髪と髭と澄んだ瞳の画家にぴったり。しんとした静けさをもつ堀江さんの文章とクートラスの画が重なりあうよう。田中小実昌、須賀敦子についての文章も胸を打つ。エッセイのような短篇のような形で大切な何か守り伝えているように感じた。『なつやかた』『すいようえき』『順送りにもたせて生かしときたい火』も好き。
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