だむかん

柄澤昌幸【著】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2009/12/12
• JAN: 9784480804242

商品レビュー

2024/08/29

電力会社の水力発電所勤務だった元社員です。
実際のいろんな川やダム、発電所がモデルになっていますね。
ダム操作の描写は見事その通りで懐かしく思いましたが、それなりに専門性の高い仕事なので経験した事のない方だと難しいというか理解できないかも知れません。ただ操作員達の心情はリアルでした。自分の指ひとつで下流を危険に晒すかも知れない、どれくらいの流入量が予想されるから、規程に乗っ取りどうゆう頻度で洪水吐を開けなければいけない。経験と専門性が高い仕事です。
ただ現在は組織改変でダム管に人が常駐していて暇を持て余している、ということはなく忙しい毎日を送っていると思います。

物語としては肝心の知りたい所（なぜ君島は堕落したのか、都宮の心境の変化）や、その後どうなったとかまで書いてほしく、ラストもこんなあっさり平坦に？ともやりました。

2015/02/25

「ダム管理所」へ出向を命じられた都宮。そこに存在するのは、巨大なダムと怠惰な同僚だけだった。なにもしない。それが彼らの唯一の仕事。しかし、何も起こらないわけではない。第二十五回太宰治賞受賞作。

2010/07/23

読み終えて、空しさ、切なさが残った。自分が読む前につい、知人のダム管理者（身近に本当にいるのです）に勧めてしまった。ちょっと後悔。大変なお仕事です。