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文学の門
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2009/12/10 |
JAN | 9784622075011 |
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文学の門
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
信頼している読友さんが絶賛していたので気になっていた本だが、思った以上の面白さだった。現代詩作家が週刊誌や新聞に掲載したエッセイをまとめた本なのだが、日常や言葉の切り取り方が本当に絶妙で、僕らにも見えているはずなのに、気づいていなかった情景が見事に照らしだされている。ここには、言...
信頼している読友さんが絶賛していたので気になっていた本だが、思った以上の面白さだった。現代詩作家が週刊誌や新聞に掲載したエッセイをまとめた本なのだが、日常や言葉の切り取り方が本当に絶妙で、僕らにも見えているはずなのに、気づいていなかった情景が見事に照らしだされている。ここには、言葉の豊かさが生きる事の豊かさとしっかりと結びついた生活があって、ゆるがない。日本文学史への達見があると思えば、プロ野球やテレビ番組の話もする。いずれも自然体で、嘘がない。ことばがまっすぐ綺麗な姿勢でと立っている、そんな本だと思う。
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「詩とは個人の言語であり、散文とは社会の言語である」 P9 散文がつくる世界 日本で見かける文章の、九九%は、散文である。 P18 山本有三の「半分」 P23 書いたまま …文芸誌の現在の編集者の多くは「国語教育」という小さな世界から、ぬけだせない。才能のある新人たちの小説...
「詩とは個人の言語であり、散文とは社会の言語である」 P9 散文がつくる世界 日本で見かける文章の、九九%は、散文である。 P18 山本有三の「半分」 P23 書いたまま …文芸誌の現在の編集者の多くは「国語教育」という小さな世界から、ぬけだせない。才能のある新人たちの小説の文章やことばに意見をいい、いいところを生かすのではなくて、実はいいところを消すよう、変えるようにいう。それだけが仕事らしい。…「書いたまま」、そっくりそのままを読みたい。 P40 …人は、なまけものだから、文章が目の前にないと、何も考えない。文章があると、その文章を支えに、ものを考える。… P80 小熊秀雄 …これで終わりなのだ。十分なものだったから。十分であるということは、それで終わりだということなのだ。聞く人が終わりなのだ。 P141 労働文学 「労働文学」のたどる道は平坦ではなかったが、プロレタリア文学の礎となった。自分をすなおに表現した。いまこうして働くことが、ことばを生む。文学を生み出す。働く場こそ人間のたしかな場所なのだと。それは働く人たちに勇気を与えた。地域の現実や、多様な労働形態が示されるという意味でも貴重だ。 P169 実学としての読書 本を読む人が少なくなった。本らしい本を読む人の姿が見えない。 どうして読書が必要か。若い世代の人たちに、それを教えなくてはならない。そう感じるおとなも「読書不在」の時代のなかで、ことばが見つからない。うまく説明できない。おとなも、本を読まなくなったからだ。実用的な本は話題になるが、教養とつながるもの、思考力をためす書物は、遠ざけられる。会社に入るときも、入ってからも、書物への意見を求められることはない。時代に合わせ、あたりさわりのない話をして過ごす。それで十分生きていける時代なのだろう。
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久しぶりに荒川エキスを注入したくなったので。この人はどこまでも文学に優しく、どこまでも文学に熱いから、好きだ。ちょいちょいいいこと言うところもまたいい。(10/7/5)
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