アトピーの女王 光文社知恵の森文庫

雨宮処凛【著】

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2009/12/07
• JAN: 9784334785451

商品レビュー

2023/05/03

・これ、自分の自伝か？　ってくらい、重度のアトピー持ちにとって共感しかない本だった。
・アトピー持ちの半生を客観的に眺めると、悲惨すぎて笑えますわ。
・アトピーの精神面の辛さが書かれていて新鮮。医者が出してる文献には、ほとんど肉体的な辛さしか書いてないんだよね...。
・皮膚科医に怒られて自己嫌悪に陥ってたのって自分だけじゃなかったんだ！？
・温泉旅行を断って友達から付き合い悪いやつと思われてるのって自分だけじゃなかったんだ！？
・結末に綺麗事な希望が全くなくて良かった。
・自分のこれまでを思い浮かべて自己憐憫に陥ったけど、それでも読んでよかった。誰とも共有できずにひたすら苦しんでた中高生のころの自分に読ませてあげたいよ。
・これを書いて、世に出すのはすごく勇気がいることだと思うので、著者に最大限の敬意と感謝を送りたいです。
・2023年の現時点では新しい治療法が出てきているので、医学薬学に携わる方々に感謝しかないです。
・できればアトピー持ちでない方々にこそ読んでほしい...！　文章はコミカルで読みやすいし、「こんな人もいるんだな〜」って勉強になるよ！

2022/07/23

2002年の本を加筆修正して2009年に文庫化されたもの。

1人のアトピー体験記としてこれほどにないくらいリアルに、切実に描かれている。著者の文才も助かって、詳細に、時にはちょっとコミカルに描かれている。アトピーの患者側から見たときの、1番の良書かも。とにかく色々な側面で描かれていて、アトピーに付随した感情や家庭環境なども知れてよかった。

この方の診療の方針は、家の近くにあること、の一点のようだ(それに血筋などから得た情報を加えた治療方針と読み取った)。外用や内服、ステロイドの利用有無、基本的な自然療法など方針は出逢った医師に一任しているようだ。わたしなら、使っているすべての薬の実物と、処方箋歴をまず伝達するが。ただ、社会情勢、親の情報取捨選択能力、教育方針など様々な外部要因が働くのでその場で正しい行動を取ることは難しい。

上記のように、アトピーは治すことがかなり難しく、人それぞれに思いは強いはず。一文読む度に感じるモノがあって、ずっと興味が尽きなかった。わたしもこのような体験記が書けるようになりたいと強く感じた。

薄場皮膚科医院と土佐丹羽クリニックの体験記は良かった。これを読まないと実態は掴めなかった。

2021/05/30

アトピーを軽視するすべての人に読んで欲しい。
アトピーとアレルギー性鼻炎と喘息もちには、とても共感出来る話。でもあんまり救いはない。