- 中古
- 書籍
- 書籍
死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの
定価 ¥2,750
1,155円 定価より1,595円(58%)おトク
獲得ポイント10P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2009/11/25 |
JAN | 9784535517226 |
- 書籍
- 書籍
死刑の基準
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
死刑の基準
¥1,155
在庫なし
商品レビュー
4.3
17件のお客様レビュー
恥ずかしながら永山則夫のことをよく知らなかったので、この本を手に取ってみました。彼の生い立ちから一審~最高裁までの流れ、結婚相手の生い立ちや婚姻に至る経緯、心境、担当した裁判官のことなど、とても細かく取材され、書かれていました。初めてこの事件のことを読んだけど、とても解りやすくて...
恥ずかしながら永山則夫のことをよく知らなかったので、この本を手に取ってみました。彼の生い立ちから一審~最高裁までの流れ、結婚相手の生い立ちや婚姻に至る経緯、心境、担当した裁判官のことなど、とても細かく取材され、書かれていました。初めてこの事件のことを読んだけど、とても解りやすくて良かったです。永山則夫の心情分析より、事件の骨格が分かる印象です。 彼が生まれ育った頃は日本もまだまだ貧しく、子どもの数も多く、小学校での指導も行き届かなかったのかなぁと思いました。むしろ今なら、手を差しのべて、学習面だけでも早くから自信をつけさせてあげられたのかと思います。 多くの貧困層の児童たちには、環境が許さないのかもしれないけど(学校)図書館で本を読んで欲しいと切に願います。
Posted by
死刑の基準とされてきた永山基準がどう生まれたか。永山の獄中からの手紙や関係者の取材に基づいて紐解く。国民皆が意識しなくてはならない現代、これまでの司法の判断の変遷と主流を知ることには意味がある。…が本書の締めで「基準はない」と結んでいる点、光市母子殺人事件の被告について安易に触れ...
死刑の基準とされてきた永山基準がどう生まれたか。永山の獄中からの手紙や関係者の取材に基づいて紐解く。国民皆が意識しなくてはならない現代、これまでの司法の判断の変遷と主流を知ることには意味がある。…が本書の締めで「基準はない」と結んでいる点、光市母子殺人事件の被告について安易に触れている点で本書の価値を下げている。
Posted by
1960年代後半、警備員やタクシー運転手4人をあいつで射殺し、1997年に 死刑に処された永山則夫。彼に下された判決は、現在の殺・人事件の極刑 基準とされている。 犯行時、19歳3カ月。極刑と無期懲役の間を揺れ動いた「永山裁判」を、 本人の生い立ちを追いながら弁護士や裁判官の証...
1960年代後半、警備員やタクシー運転手4人をあいつで射殺し、1997年に 死刑に処された永山則夫。彼に下された判決は、現在の殺・人事件の極刑 基準とされている。 犯行時、19歳3カ月。極刑と無期懲役の間を揺れ動いた「永山裁判」を、 本人の生い立ちを追いながら弁護士や裁判官の証言を踏まえて検証 する。 永山則夫の生い立ちや事件については、永山本人の著作や事件を 分析した作品が他に多くあるので目新しいものではない。本書の 著者は女性であるせいか、感傷的な表現が引っかかるので事件 自体を追うのであれば他の作品の方がいいかも知れぬ。 永山の遺品のなかにあった書簡や、文盲だったと言われる彼の母が カタカナで贖罪の気持ちを綴ったノートを目にする機会があったのだから、 そちらをメインに持って来てもよかったのではないか。 本文中に永山の母のノートからの抜粋が掲載されているのだが、読み易さに 重点を置き、著者が漢字・ひらがなの文章に書き直しているのも惜しい。彼女が 綴ったままのカタカナで載せた方が「俺を捨てた」と我が子から責められた 親の気持ちが伝わったのではないか。 さて、裁判記録である。一審で死刑、控訴審で無期、最高裁で無期判決破棄、 死刑となった永山裁判であるが、彼と獄中結婚をした女性の存在がなかった ならば、控訴審で無期懲役の判決は出なかったのではないか。彼女がいたから、 思想闘争とか訳の分からぬことを言っていた永山も変わったのではないか。 控訴審判決当時、メディアでも話題になった船田判決の次の一文は深い。 「どこの裁判所が審理しても死刑が避けられないと判断した場合にのみ 死刑が適用されるべきで、裁判官全員一致の意見によるべきとする精神が、 現行法の運用にあたっても考慮に価する」 死刑制度がある限り、凶悪犯罪に対しては死刑判決が下ることは避けられない。 しかし、その判決を下す裁判官も人である、人が人を裁く難しさは、怖ろしさは 永山の最高裁判決の際に調査官として名を連ねた裁判官の言葉が重い。 日本では裁判員制度が始まった。いつ、誰が裁判員になるか分からない。 その時、私たちは犯罪者とは言えどもひとりの人間の命を奪う決定を下せ るのだろうか。 「生きたいと思わせておいてから、殺すのか…」 無期判決棄却となった時の永山則夫の言葉である。死・をもって罪を償うのか、 生きて償うのか。遺族・被害者への償いとは何なのか。難しいね。
Posted by