ダウンタウンに時は流れて

多田富雄【著】

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2009/11/30
• JAN: 9784087814316

商品レビュー

2010/06/04

多田先生が亡くなったと聞いてすごく残念だし、日本にとって惜しい人が死んでしまったんだと、生きていてほしい人が早く死んでしまう。神様が先生みたいな優秀でチャーミングな人を傍にいてほしいと思うから、きっと早く逝ってしまわれたんだろう。なんて、奥さんの人柄がすばらしかった。

2010/01/19

多田先生の若き日の留学先米国・デンバーでのダウンタウンの思い出エッセー（まだ倒れる前の著作）と、倒れてからのエッセーをまとめたもの。

若き日の先生は、やっぱり好奇心旺盛で、ダウンタウンの西部劇のような酒場を愛し、チャイナレストランで働く戦争花嫁のチエコさんとの交流も温かい。
そして更級の屋代で開催した能「姥捨」のエッセーは、姥捨というコンセプトに肉薄して圧巻。

先生は現在の闘病生活の中で「ダウンタウンの自伝的エッセー」は自分の青春の黄金期だったと切実に思い出したという。あの情熱は若さゆえのもの。そして今みているのは、回想の不思議な魔術だと・・。