インビジブルレイン

誉田哲也【著】

• 内容紹介: 暴力団のチンピラが殺害される事件が発生。組同士の抗争が疑われたが、捜査は膠着状態に。そんな中、警視庁捜査一課の刑事・姫川玲子たちは上層部から捜査線上に「柳井健斗」という名前が浮上しても、決して追及するなとの指示を受ける。命令に納得出来ない玲子は単身捜査に挑むが…。幾重にも隠蔽され、複雑に絡まった事件。組織の論理と真っ向から闘う中で禁断の恋に落ちた玲子。その行く末とは…？警察小説人気シリーズ第4作目となる長編。
• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2009/11/25
• JAN: 9784334926885

商品レビュー

2024/05/02

チンピラ暴力団員が殺害され姫川チームは組対四課と合同捜査を進める。過去の警察の不祥事を隠蔽するため上層部から横やりが入ることになり、姫川玲子は単独捜査に挑む。結果、姫川チーム解散に追いやられてしまう。今作では極道の牧田と玲子の道ならぬ恋が描かれていて、玲子の気持ちはよく分からなかったし「なんだかな～」という気持ちが強いのだけれど牧田がかっこいいので菊田さんには悪いけれど牧田推し。

2021/08/16

色々入り混じってる
なんか納得しちゃう恋の落ち方だったな
うんそういうのってあるよね
そして和田捜査一課長もカッコ良さよ

2020/08/13

姫川玲子シリーズの第４作。

柳井健斗のモノローグで幕が開き、小林充という下っ端の暴力団員が殺害される事件の捜査で物語が始まる。

小林は、「六龍会」の構成員。指定暴力団「大和会」傘下に「石堂組」、その傘下に「仁友会」、その傘下が「六龍会」。玲子が心惹かれた牧田が会長を務める「極清会」は、「仁友会」と同列。このあたり、頭に入ってくるまでちょっと時間がかかる。

長岡という警視監が、過去の警察の失策を隠蔽するべく、柳井健斗を追うなという指示を出す。当然玲子は反発し、柳井の周辺を探る。その中で玲子は牧田に出会い、心惹かれ、共に事件の核心に迫っていく。

玲子の牧田への想いは、その始まりから悲しい結末を予感させ、最悪の形で終わる。

ミステリというより、サスペンス色が強い。物語に大きな謎はなく、スピード感をもって話が展開する。

終章で和田課長が玲子に送る言葉が印象的。

「組織なんてものはね、同じ形のまま永続するのがいいわけじゃ、決してないんだ。壊されながら、削ぎ落としながら、あたらしいものを取り込んでいく必要がある。また、組織はしがみつくものでも、よじ登るものでもない。それぞれが地に足をつけて、踏ん張って、支えるものなんだよ。」

時勢は、組織は踏ん張るものでも、支えるものでもないのかもしれない。
旧時代的な価値観だと言われるかもしれないかもしれない。

だけど、この和田課長の思いが共有できる社会であって欲しいと思います。