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言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集 岩波現代文庫 社会193
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言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集 岩波現代文庫 社会193

リヒャルト・フォンヴァイツゼッカー【著】, 永井清彦【編訳】

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言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集 岩波現代文庫 社会193

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2009/11/16
JAN 9784006031930

言葉の力

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商品レビュー

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2024/01/14

2024年1月読了。 9ページ 目を閉ざさず、耳を塞がずにいた人びと、調べる気のある人たちなら、(ユダヤ人を強制的に)移送する列車に気づかないはずはありませんでした。人びとの想像力は、ユダヤ人絶滅の方法と規模には思い及ばなかったかもしれません。しかし、犯罪そのものに加え、余りに...

2024年1月読了。 9ページ 目を閉ざさず、耳を塞がずにいた人びと、調べる気のある人たちなら、(ユダヤ人を強制的に)移送する列車に気づかないはずはありませんでした。人びとの想像力は、ユダヤ人絶滅の方法と規模には思い及ばなかったかもしれません。しかし、犯罪そのものに加え、余りにも多くの人たちが実際に起こっていたことを知らないでおこうと努めていたのが現実であります。当時まだ幼く、ことの計画・実施に加わっていなかった私の世代も 例外ではありません。良心を麻痺させ、それは自分の権限外だとし、目を背け、沈黙するには多くの形がありました。 → 自分の「責任」の範囲を勝手に自分で決めていないかという反省は自分にもある。 11ページ …心に刻むことなしに和解はない…忘れることを欲するならば捕囚は長びく 救いの秘密は心に刻むことにこそ →「旅の恥はかき捨て」で済ませて良いこととそうでないことがある。 27ページ …かつて身に受けた助け、救いは往々にして四十年の間しか心に刻んでおけなかったと記されております。心に刻んでおくことがなくなったときに、太平は終りを告げたのです。 28ページ 人間は何をしかねないのかーこれをわれわれは自らの歴史から学びます。でありますから、われわれは今や別種の、よりよい人間になったなどと思い上がってはなりません。道徳に究極の完成はありえませんーいかなる人間にとっても、また、いかなる土地においてもそうであります。 29ページ 若い人たちにお願いしたい。他の人びとに対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないようにしていただきたい。 →ついつい敵意や憎悪に駆られそうになる弱い存在であるということを前提にした日々の営みが必要であると思う。 45ページ ナチズムの時代に物心がついていた人の数はしだいに少なくなっていきます。後から生まれた人たちにとって個人としての罪の問題はありませんが、歴史の遺産と向かい合う課題はあります。それには「心に刻む」ことが必要で、真理のためにも未来のためにも心に刻むことを閑却せず、肝に銘じることはわれわれに共通の責任であり、心に刻むことこそわれわれの本性としての良心の一部なのです。 →私の「歴史認識」や如何に。 61ページ しかし女性たちは依然として不利な立場に置かれています。彼女たちは就職、昇進、再就職の際にそのことを身にしみて感じております。その背後には家族と職業との間の緊張があります。依然として家族が労働市場に適応しなければならないのであって、その逆ではありません。すべての人びとがそのことで悩んでいます。しかしそこから生じる負担の一番大きな部分を担っているのは女性たちです。 →この演説は1989年のものだが、果たして社会は変わったか。 62ページ 金銭を払わないものには価値ないとみなされるような社会は人間を納得させないでしょう。母親が、そしてそれなりの方法で父親が、子供に対してする行為は無償です。しかし社会が手助けしなければなりませんし、負担の分担も従来より公正でなくてはなりません。 →長らく企業の常識の中で働いている人にとっては金銭を持ってくることができない者は存在しないと同じことかもしれないが、社会は断じてそうではないということを企業で仕事をしている身であっても常に我が身の側に置いておきたい。

Posted by ブクログ

2020/06/04

本書は私が下手な感想を書くより「読んでくれ!」の一文 だけで十分な気がする…。 ドイツがまだ東西に分かれていた頃、西ドイツの第6代大統領 であり、「言葉の人」とも呼ばれたヴァイツゼッカーの演説集 は、「言葉とそれが伝える内容こそ政治」を確信していた人 らしく、他国に生...

本書は私が下手な感想を書くより「読んでくれ!」の一文 だけで十分な気がする…。 ドイツがまだ東西に分かれていた頃、西ドイツの第6代大統領 であり、「言葉の人」とも呼ばれたヴァイツゼッカーの演説集 は、「言葉とそれが伝える内容こそ政治」を確信していた人 らしく、他国に生を受けた私でも胸に刺さるものが多い。 第二次世界大戦の敗戦40年を迎えて連邦議会で行った演説 「荒れ野の40年」は日本でも有名だろう。 「問題は過去を克服することではありません。さような ことができるわけはありません。後になって過去を変え たり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。 しかし過去 に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目 となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、 またそうした危険に陥りやすいのです」 日本国内でもホロコーストを否定する輩もいるんだよね。 ドイツ統一後には旧東ドイツは大きな経済的混乱に陥り、 人々は移民などのマイノリティに捌け口を求めた。 それを止める為に「人間の尊厳は不可侵である」との基本 法第一条の言葉を旗印に掲げ、反暴力デモの先頭に立ち、 「暴力を排す」との演説を行った。その一節をいかに記す。 「基本法には、人間の尊厳を尊重し擁護することはすべての 国家権力の責務であると規定されています。しかし、われわれ 個々人が人間の尊厳を義務だと理解していなければ、これを 生かすことはできません。隣人の尊厳とわたし自信の尊厳とは 不可分であり、他人の尊厳を尊重することを知ってはじめて 自分の尊厳を感じることができます。他人の尊厳を守ることを 助けないと、他人の尊厳と同様、自分の尊厳をも傷つけること になります」 本書のヴァイツゼッカーだけではなく、現在のドイツのメルケル 首相がコロナ禍のなかで国民に呼びかけた「(政府を)頼って ください」とか、アメリカで起きた警察官による黒人男性殺害 事件へのコメントを求められてしばしの沈思黙考後に「我が国 にも差別の問題はある」と語ったカナダのトルドー首相とかを 見ていると、日本の政治家って言葉の持つ力を知らないなぁと 感じてしまうんだよね。 過去には「反軍演説」を行った斎藤隆夫のような政治家もいた けれど、「自分の言葉」で話すことのできる政治家がいない。 用意された原稿を、文節も無視してぶった切りながら棒読み するだけならAIの方がましなんだが…ブツブツ。 「荒れ野の40年」「暴力を排す」を含め、11本の演説は根底 にキリスト者であることがあるのだが、信仰が異なっても 「この人は自分の言葉を持った人なのだな」と感じさせる。

Posted by ブクログ

2013/06/30

演説を通して、国家としての責任とはなんなのか、それをどう果たしていくべきかについて、ヴァイツゼッカーがどう考えているかというのが見える本。政治学を学ぶ人なら読んでおいて損はない一冊。

Posted by ブクログ

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