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影 小学館文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2009/11/11 |
JAN | 9784094083347 |
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商品レビュー
5
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※このレビューにはネタバレを含みます
あらすじ ノーベル文学賞作家アクセル・ラグナーフェルトは寝たきりで死期が近い。その妻は体の不調を訴えては息子を振り回している。息子は父の威光と財力の管理で、全国を講演しているが、浮気と飲酒に溺れて、妻とは冷えた関係だ。 長年ラグナーフェルト家で家政婦をしていた女性が亡くなった。彼女は身内がいなかったが、一人だけ相続人を決めていた。接点のない、かつて捨て子だった男性だ。 ラグナーフェルト息子は家政婦の写真を探していてたまたま父の書類を見てしまう。そこには事故死と聞かされた妹が自殺だったことや、愛人らしき人物からの手紙があった。 最後の怒濤の展開。ラストのラストまで、北欧らしい、人間の内面を丁寧に描いた作品かなと思っていた。特に家族の再生とか…。多分作中でまともなグループの家政婦の手紙から、とんでもない展開になっていた。特に父ラグナーフェルトと周辺の自己中心的な選択には驚いた。 読者の期待を裏切り、安定を望まない作者だなあ。それでも読後感が悪くなくて、しみじみ考えさせてしまうのはさすがだと思う。
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著名であるとか栄光とか名誉とか、そういうものは必ずしも幸せには繋がらない、ということか。みんながアルコールの問題を抱え、それぞれに足掻くような悩みを抱え堕ちていくところはなんとも・・・!それでもやっぱり女は強いよなあ(生贄とされてしまった娘はともかく)、と思わずにもいられない。
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人はあっけなく、なんのひっかかりもなく、簡単に堕ちてしまう。 ノーベル文学賞作家は、脳疾患で全身麻痺になっている。その息子は、父の威光に頼って仕事をしている。そして家庭は崩壊しかけている。 かつてその家につかえていた家政婦の死によって、家族の闇がうかびあがってくる。 ...
人はあっけなく、なんのひっかかりもなく、簡単に堕ちてしまう。 ノーベル文学賞作家は、脳疾患で全身麻痺になっている。その息子は、父の威光に頼って仕事をしている。そして家庭は崩壊しかけている。 かつてその家につかえていた家政婦の死によって、家族の闇がうかびあがってくる。 人と過去が交錯する手法が心にくいばかりです。 全ては絡み合い、もつれながら、それでも解かれていく。明らかになったとき、唖然としてしまう。何があったのか、読んでいく中で推察できるし、その想像を大きく超えたものでは決してない。けれど、あっけにとれてしまう。 人が堕ちていくとき、それはもっとためらいや躊躇があるものではないのか。こんなにあっさりと、滑り落ちるように堕ちていくそんな俗悪なものなのだろうか。 積み重なっていった悪意というものは、人をこれほどまでに愚鈍にさせるのだろうか。 …でも、一番醜悪なのは、その死によって静まった湖面に石を投げ入れた形になった家政婦なんだと、私は思う。
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